研究課題/領域番号 |
18KK0371
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
埴淵 知哉 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (40460589)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2021
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キーワード | マルチレベルデータ / 地域調査 / 系統的社会観察 / クラウドソーシング / ポートランド |
研究実績の概要 |
本研究は、個人と地域の情報を併せもつ「地理的マルチレベルデータ」構築の可能性を、国際共同研究を通じて発展させることを目的としている。そのために、まず米国におけるデータの構築・公開の先進的な状況を調査・把握すること、そして、クラウドソーシングによる社会・地域調査法を日米で試行し国際比較を進める計画である。前者については、昨年度までに実施した海外渡航先での調査および国際共同研究をもとに、基課題の科研プロジェクトにおけるインターネット調査を設計し、2020年10-11月にかけて本調査を実施した。そこで得られた調査データは、多様かつ汎用的な設問を多く含んでおり、同様の設問が組み込まれた海外の調査データとの比較も可能である。後者については、系統的社会観察による地域調査法とオンラインの社会調査法を組み合わせた地理的マルチレベルデータ構築を行い、その有効性を検討した論文を発表した。さらに、クラウドソーシングを利用した系統的社会観察を発展させるかたちで機械学習を利用した景観画像の分析を進め、日本の街路景観を対象とした歩行環境の定量化と、歩行量との関連性の分析に取り組んだ。その後、このアプローチの本格的な国際比較に向けて、オレゴン州立大学の共同研究者との意見交換とデータ共有を進めている。ただし、コロナ禍により追加的な渡航や海外の共同研究者の招聘を実施できなかったことで予定どおり進まなかった面があり、成果の取りまとめのための期間として一年間の期間延長を申請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主たる海外渡航は2019年度に実施済みであるものの、コロナ禍により米国への追加的な渡航や共同研究者の招聘が不可能であったことから、研究成果の取りまとめが予定よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度においては、収集済みのデータの分析と成果公表を引き続き進める計画である。特に、ポートランドを対象にしたクラウドソーシングによる系統的社会観察のデータについて、街路景観の定量化とその変化の分析結果を論文にまとめる。コロナ禍の終息がすぐには見通せない状況であるため、海外の共同研究者との議論はオンラインで進める。
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