研究課題/領域番号 |
18KK0372
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
菅原 智 関西学院大学, 商学部, 教授 (40331839)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2022
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キーワード | 経験学習 / アクティブ・ラーニング / LEGO / 会計教育 / 学習アプローチ |
研究実績の概要 |
本国際共同研究では、ビジネスを学ぶ日本の学生とイタリアで学ぶ学生を対象とし、新たに開発するアクティブ・ラーニング(AL)を活用して会計教育を行い、 結果として学生が習得する専門的判断力に対するALの効果測定と、教育効果に影響を及ぼす要因を特定し国際比較することを目的とする。その方法としては、a) 現存するALを利用するのではなく、新たに独自のAL教材を開発・実施し、データを収集する、b) 一時点・短期的なデータ収集を改め、研究代表者の在外研究期 間を利用し、長期間に及ぶ研究データ収集・分析による研究成果の精緻化を図る、c) 基課題の日本人のデータ分析に加え、イタリアの大学で学ぶ海外留学生も データ収集の対象として拡張し、グローバル・ビジネス現場における文化的・社会的要因の影響を受ける会計教育問題を直接分析の対象に据える、というもので ある。 2021年度は2020年度に引き続き新型コロナウイルスの蔓延により、予定していた在外研究の出発が延期となった。2020年度にCOIL(Collaborative Online International Learning)等で収集したデータを駆使し、研究成果をまとめることができた。2020年度より執筆していた論文「Mediation effect of students' perception of accounting on the relationship between game-based learning and learning approach」が海外ジャーナル「Journal of Accounting Education」にもアクセプトされ出版された。また、これまでの研究成果を再構築し、かつ新たに加筆することで2021年10月には単著の専門書「会計のイメージを変えるー経験学習による会計教育の挑戦ー」を出版することもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの蔓延により延期となった在外研究の影響が不安であったが、COILによるデータ収集が実現できたため、当初の予定を大きく変更する必要 もなく、順調に研究を行うことができた。また、緊急事態宣言や在宅勤務のため、研究時間を多くとることができ、予想以上に研究成果の編纂作業を進めることができた。また、コロナ禍の在宅勤務期間を利用して、アクティブ・ラーニングの新しい手法を学ぶことができ、次年度以降に研究の幅を広げることができる契機を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度には、2020年から延期してきた在外研究がようやく実現することができる。イタリアで会計教育を実践し、直接かつ長期的にデータを収集するという当初の研究計画の目的をようやく遂行することができる。また、本年度に新たに身に付けたアクティブ・ラーニング手法を在外研究先で実践し、多面的に研究対象を分析することも実施していきたい。 また、2021年にはCOIL(Collaborative Online International Learning)方式を活用し日本と海外を繋いで授業をする経験を数多く得てきた。その中で新たに扱ったデザイン思考という学問領域について在外研究先のイタリアでより深く学び本研究に取り込んでいきたいと考えている。
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