研究課題
基課題研究の目的は、省エネ・低炭素社会の実現に期待されている次世代パワーデバイスに関して、大電力制御が可能であり、かつ最も高い省エネ効果が期待されているダイヤモンド半導体を用いた超低損失の縦型トレンチゲート構造MOSFET創製のための基盤要素技術を開発し、ダイヤモンドパワーエレクトロニクスの創成に資することである。本国際共同研究では、基課題研究により得られた成果である超低損失ダイヤモンドMOSFETの早期社会実装の加速を目的とする。具体的には、アリゾナ州立大学が有するデバイス開発装置群を用いて、材料基盤研究からデバイス応用研究へ発展させ、ダイヤモンドエレクトロニクスの創成を目指す。当初の計画では、2022年8月からの約6か月間、アリゾナ州立大学で研究を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響で今年度も渡航できなかった。そのため、昨年度に引き続き、渡航予定先であるアリゾナ州立大学のNemanich教授とオンラインで議論を行い、本学においてダイヤモンド半導体試料の作製及び評価を行った。具体的には、マイクロ波プラズマCVD法を用いたホモエピタキシャル成長によりホウ素ドープp型ダイヤモンド膜の成長やオーミック接触形成のための高濃度ホウ素ドープダイヤモンドp+層の成長、n型窒素ドープダイヤモンド膜の成長、ダイヤモンド表面の終端構造制御、その表面上にALD法を用いたAl2O3の堆積、そして作製したダイヤモンドMOSキャパシタの電気的特性評価を行い、界面準位密度や固定電荷密度を見積もった。
4: 遅れている
研究実績の概要に示した通り新型コロナウイルスの影響で、今年度も渡航できておらず大幅に計画が変更になった。そのため、オンラインでの議論、及び次回渡航時に効率的な研究の遂行を可能にすることを目的に本学にて試料作製及び評価を行ったものの、今年度は当初計画よりも遅れている。
当初の計画だと2021年度が最終年度であったが、新型コロナウイルスの影響により、大幅に研究の進捗が遅れていることから研究期間を1年延長した。2022年4月の時点の状況からすると、今年度は渡航できる可能性が高いため、残っている研究実施計画の遂行を目指す。場合によっては研究期間を更に延長する。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
Diamond and Related Materials
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