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2020 年度 実施状況報告書

暗黒物質と銀河内PeV陽子加速源の発見を目指すガンマ線望遠鏡CTAの高感度化

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0384
研究機関名古屋大学

研究代表者

奥村 曉  名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 講師 (90645011)

研究期間 (年度) 2019 – 2021
キーワードガンマ線 / 宇宙線 / SiPM / チェレンコフ望遠鏡アレイ / 半導体光検出器
研究実績の概要

本研究では次世代の地上ガンマ線望遠鏡であるチェレンコフ望遠鏡アレイ(Cherenkov Telescope Array)の装置開発および試作望遠鏡の運用を国際共同で進めることを目的としている。装置開発は主にドイツのマックスプランク核物理学研究所との連携および同研究所への長期滞在、また試作望遠鏡の運用はスペインのラパルマ島にて行う計画であった。しかし、2020年度は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のため、これら長期出張を実現することは困難であった。しかし、旅費ではなく研究費の一部を人件費として使用し、国内で行える装置開発は国内で進めることができた。また海外共同研究者ともZoomやSlackを活用して密に連絡を取り、日本国内および海外連携機関のそれぞれで進められる装置開発をそれぞれで行なった。CTAの焦点面検出器に使用する予定の半導体光検出器の性能評価や、これまで考慮されてこなかった検出チャンネルから周辺チャンネルへの赤外線の広がりの測定をするなどして、焦点面カメラの最終設計を進めた。また将来的なCTAの性能向上を目的として、光電子増倍管を使用する焦点面カメラの半導体光検出器への変更を検討している。そのために必要となる夜光除去技術の検討として、超波長の光を内部で吸収させる多層膜の開発を企業と共同開発し特許出願をした。この多層膜技術を用いれば、紫外から青色を主成分とする大気チェレンコフ光を夜光の影響を避けつつ高効率で検出できるようになる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本科研費は海外機関への長期出張を前提としている。しかし2020年度は新型コロナウイルスにより海外渡航が困難となったため、ドイツやスペインへの長期滞在による国際共同研究は大きく進展させることができなかった。一方でZoomやSlackを活用したコミュニケーションはできる限り維持し、また当初計画になかった多層膜フィルターによる夜光除去技術の検討や特許出願を進められたため、上記の区分を選択した。

今後の研究の推進方策

2021年度も海外渡航は引き続き困難であると見込まれるため、2020年度と同様に海外連携機関と日本でできることをそれぞれに進める。またZoomなどを活用し密な連絡を保ちながら、共同研究は粛々と進める。本科研費も事業延長は最終年度に申請可能なため、2021年度に海外渡航の状況が改善しない場合は事業延長する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Detection of the Crab Nebula with the 9.7?m prototype Schwarzschild-Couder telescope2021

    • 著者名/発表者名
      Adams C.B et al.
    • 雑誌名

      Astroparticle Physics

      巻: 128 ページ: 102562~102562

    • DOI

      10.1016/j.astropartphys.2021.102562

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sensitivity of the Cherenkov Telescope Array to a dark matter signal from the Galactic centre2021

    • 著者名/発表者名
      Acharyya A et al.
    • 雑誌名

      Journal of Cosmology and Astroparticle Physics

      巻: 2021 ページ: 057~057

    • DOI

      10.1088/1475-7516/2021/01/057

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Status of the development of NUV SiPMs for INFN optical modules for the SCT medium sized telescope proposed for the CTA observatory2020

    • 著者名/発表者名
      Adams C. et al.
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment

      巻: 982 ページ: 164486~164486

    • DOI

      10.1016/j.nima.2020.164486

    • 査読あり
  • [学会発表] CTA報告171: 小口径望遠鏡用SiPMの光検出効率の入射角度依存性2020

    • 著者名/発表者名
      奥村曉
    • 学会等名
      日本物理学会 2020年秋季大会
  • [学会発表] CTA報告180: 小口径望遠鏡の保護ガラスによるSiPMオプティカルクロストークの実測とシミュレーションによる評価2020

    • 著者名/発表者名
      黒田裕介
    • 学会等名
      日本物理学会 2020年秋季大会
  • [学会発表] CTA報告181: 大・中口径望遠鏡カメラSiPM化に向けた、集光器への多層膜蒸着による夜光低減の検討a2020

    • 著者名/発表者名
      芳賀純也
    • 学会等名
      日本物理学会 2020年秋季大会
  • [学会発表] SiPMのクロストーク特性2020

    • 著者名/発表者名
      田島宏康
    • 学会等名
      日本物理学会 2020年秋季大会
  • [学会発表] Schwarzschild-Couder型のCTA 小・中口径望遠鏡の開発状況2020

    • 著者名/発表者名
      奥村曉
    • 学会等名
      日本天文学会 2020年秋季年会
  • [産業財産権] 特許権2021

    • 発明者名
      奥村曉、西本圭司、井上知晶
    • 権利者名
      奥村曉、西本圭司、井上知晶
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2021-031974

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公開日: 2021-12-27  

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