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2022 年度 実施状況報告書

暗黒物質と銀河内PeV陽子加速源の発見を目指すガンマ線望遠鏡CTAの高感度化

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0384
研究機関名古屋大学

研究代表者

奥村 曉  名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 講師 (90645011)

研究期間 (年度) 2019 – 2023
キーワードガンマ線 / 宇宙線 / CTA / 半導体光検出器
研究実績の概要

本研究は次世代の地上ガンマ線望遠鏡Cherenkov Telescope Array(CTA)の装置開発と初期運用を目指し、1)ドイツのマックスプランク核物理学研究所および2)スペインのロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台との国際共同研究を進めるものである。今年度は1)に8-9月に滞在し、CTA小口径望遠鏡の焦点面カメラの開発を進めた。特にモンテカルロシミュレーションとデータ解析手法の性能向上を目指し、従来の画像解析では主要な方法として用いられていなかった最尤法によるチェレンコフ光像の解析の検討を大学院生と進めた。特に数十TeV以上で問題となる望遠狭視野外へのチェレンコフ光像のはみ出しを最尤法で補完することにより、ガンマ線到来方向の決定およびガンマ線エネルギーの決定の精度向上につながることを確かめた。また焦点面カメラに取り付ける保護窓材の多層膜コーティングの検討や、それにより遮断される長波長の夜光量の検討、一方で増大することが懸念される半導体光検出器からの赤外線放射の反射などを光学シミュレーションで検討した。2)には3月に滞在し、MAGIC望遠鏡とCTA大口径望遠鏡の共同観測などの観測シフトを行った。ドイツ、ポーランド、フィンランドからの他の共同研究者と望遠鏡運用を一緒に行い、大口径望遠鏡の初号機の運用が順調であることを確認するとともに、実際の観測で起こるトラブルへの対応と、自身の観測トレーニングを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度、2021年度に本来は長期滞在する予定であったが、コロナのため渡航が延期になり、当初の予定に比べ渡航期間が短くなってしまっている。2022年度は長期滞在を再開したものの、本来は2021年度で終了する予定の計画であったため日程調整が難しく、比較的短い滞在となった。

今後の研究の推進方策

2023 年度はマックスプランク核物理学研究所に長期滞在することで、半導体光検出器の性能評価、焦点面カメラモジュールの性能試験、ガンマ線観測の較正手法の検討、カメラ制御ソフトウェア・データ解析ソフトウェアの開発などを、海外共同研究者と進める。また国内では半導体光検出器の長期安定性評価や大光量下でのチェレンコフ信号の抽出手法の検討、また 10 TeV を超える高エネルギーガンマ線の画像解析手法の検討を大学院生と共同して進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] MAGIC observations provide compelling evidence of hadronic multi-TeV emission from the putative PeVatron SNR G106.3+2.72023

    • 著者名/発表者名
      MAGIC Collaboration、Abe H.、Abe S.、Acciari V. A.、Agudo I.、Aniello T.、Ansoldi S.、Antonelli L. A.、Arbet Engels A.、Arcaro C.、Artero M.、Asano K.、et al.
    • 雑誌名

      Astronomy & Astrophysics

      巻: 671 ページ: A12~A12

    • DOI

      10.1051/0004-6361/202244931

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The small-sized telescope of CTAO2022

    • 著者名/発表者名
      Tagliaferri Gianpiero、Antonelli Angelo、Arnesen Tora、Aschersleben Jann、Attina' Primo、Balbo Matteo、Bang Sunghyun、Barcelo Miquel、Baryshev Andrey、Bellassai Giancarlo、et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of the SPIE

      巻: 12182 ページ: 13

    • DOI

      10.1117/12.2627956

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2023-12-25  

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