研究実績の概要 |
本国際共同研究では、基課題(基盤研究(C)「メゾスコピック量子導体における情報流・熱流・電流のゆらぎ」研究課題17K05575)において構築した情報エントロピー(エンタングルメント・エントロピー)・熱量(熱力学的エントロピー)・電荷量の揺らぎ相関についての理論研究を、実験研究とつなげることを目的としている。 計画1-2)熱流揺らぎ分布測定の理論の構築:昨年度に引き続き、対数尤度比の分布と相対Renyiエンタングルメント・エントロピーを多経路Keldyshグリーン関数法を用いて計算し、平衡状態においてオンチップ温度計の雑音等価温度または雑音等価電力の限界を調べている。去年度に引き続き渡航ができなかったため主に論文の執筆を行った。またエントロピーと関連して、2021年4月から採用した研究協力者を中心に古典速度限界について成果を得て、論文にまとめ(Nakajima, Utsumi, “Asymptotic expansion of the solution of the master equation and its application to the speed limit”, Physical Review E 104, 054139 (2021))また日本物理学会や国際会議等で報告した。 計画2-2):微弱熱量揺らぎの分布の理論の構築を量子系に拡張に関しては、昨年度より、前研究協力者と海外研究者と数値くりこみ群によるボゾンの粒子浴に接続された超伝導量子ビットの解析について議論を進めている。
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