研究課題/領域番号 |
18KK0395
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坂本 良太 東北大学, 理学研究科, 教授 (80453843)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2022
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キーワード | ナノワイヤ / ナノシート / 導電性 / 光触媒 / 光機能 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き,今年度もコロナ禍によりスペインへの渡航の目途は全く立たない状況であった.そのため,今年度も研究計画の進捗は非常に困難であった. 筆者は2021年10月に現所属先に異動し,研究環境整備を行っていた.しかしながら,2022年3月の地震により,研究室に大きな被害が生じた.特に,SPMヘッドが落下により破損し,修理が必要な状況にある. 機密保持のため,詳細は省略するが,ナノシート合成の新たな手法に目途が立った.これを導電性ナノシート合成に導入し,高品質ナノシートの合成と,導電性評価に繋げていく. 筆者が開発した配位高分子「ジピリンナノワイヤ」は, 有機溶媒中で超音波処理することでナノワイヤ1本1本を剥離・観察可能な分子ナノワイヤである. 溶媒分散性を増強するために,側鎖に長鎖アルキル基を導入したπ拡張ジピリンナノワイヤの合成を行った.得られたナノワイヤは良好な分散性と発光性を示した.また,末端をジピリン配位子で終端することで得られるジピリンナノアレイの合成を行った.現状では,GPCを用いることで,9核錯体まで単離できることを見出した.また,末端のみにヘテロ構造を有するジピリンナノアレイの合成を行い,その励起子移動過程の解析を行っている. 筆者が開発した導電性金属錯体ナノシートであるNiBHTを用い,半導体光触媒におけるHER助触媒としての利用を追究した.代表的な光触媒であるCoOx/SrTiO3との複合系の追究を行った.複合系に紫外光を照射したところ,定常的な水の完全分解を示した.対照的にPtを助触媒とした系では,H2とO2の蓄積に伴い正味の水分解反応が停止した.NiBHTは光触媒上におけるHERを加速する一方,発生した水素と酸素からの水逆生成反応,および酸素還元反応を抑制することで定常的な水分解を実現することを実験および理論の両面から明らかとした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍によりスペインへの渡航の目途は全く立たない状況にあったため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度もコロナ禍による渡航制限が予想される.また,筆者は現所属先における活動が実質1年目であり,種々の用務によるスケジュール調整の困難も予想される.そこでウェビナー開催,ナノワイヤ・ナノシートに関する総説の共同執筆などを行い.先方とのコネクション確保を最優先したい.導電性ナノシート・ナノワイヤの素材準備は,現所属先にて引き続き進める.
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