COVID19の影響により2020年度中の渡米は叶わなかったものの、2019年度の共同研究先での成果を論文にまとめることができた。本研究では、日本で開発した紫外域を活用した表面プラズモン共鳴センサーと、アメリカで開発した(可視)表面プラズモンイメージングセンサーを組み合わせることで、全く新しいバイオイメージングセンサー開発につなげるものである。先に挙げた論文では、紫外表面プラズモン共鳴センサーで利用されるアルミニウムを利用して、可視域での表面プラズモンバイオイメージングセンシングを達成した。その中で、センサーとしての強み(広いセンサー動作範囲と非特異的吸着の抑制)が明らかとなり、これは紫外センサーでも活かされる。今後は、この技術を紫外域に応用することで、分子の紫外域での電子励起吸収による高いセンサー感度と物質選択性を実現することを目指す。 そのために、2020年度はオンラインで密接な議論を進め、日本とアメリカで、それぞれ共同研究にむけた実験をすすめた。具体的には、バイオセンシングやイメージングで必要となるアナライトフローシステムを日本の装置にも導入し、共同研究先でも採用されているモデル分子での、紫外表面プラズモン共鳴センシングに取り組んだ。アメリカ側では、紫外でのセンシングに適したアルミニウム薄膜作製技術の取得に成功し、さらにバイオセンシングに向けた表面修飾技術の確立に取り組んでいる。2021年度も引き続き共同研究推進に向けたオンラインでの議論と、日本/アメリカそれぞれでの実験とそのための準備をすすめ、当初の目標を達成する。
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