研究課題/領域番号 |
18KK0401
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
古川 怜 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50589695)
|
研究期間 (年度) |
2019 – 2023
|
キーワード | プラスチック光ファイバー / 異方性介在物 / 弾性変形 / 複屈折相殺効果 / マイクロメカニックス / 界面ゲル重合法 |
研究実績の概要 |
本研究においては、変形に伴うプラスチック光ファイバー内に分散したドーパント配向を調査することを目的とする。本課題を通じて、マイクロメカニックス、コンポジット材料の構造計算、および材料試験を専門とするDr./Prof. Onur Cem Namli氏(トルコ共和国Yeditepe大学機械工学科)との国際連携を築いている。 Yeditepe大学にて、代表者らの研究室で作製する共重合比に勾配のあるプラスチック光ファイバーや、ドーパントの分散したプラスチック光ファイバーを扱ってもらい、これらのファイバーが押し潰されるような変形をした時、またはループを形成した時など、様々な変形を想定した際のファイバー内応力分布を構造計算によって可視化する。 これらの研究対象となる特殊なプラスチック光ファイバーが、光学的に均一体ではないことは先行研究によって明らかとなっている。他方、外部からの応力に対して、不均一性がどの程度寄与するのかについて、実際のプラスチック小片を使った応力ひずみ計測を通して解析を進める。 光ファイバーに添加するドーパントは、形状的な異方性が強い、二色性のものが望ましい。これは、配向のしやすさがその理由となる。これらのドーパントについても、異なる分子サイズや形状のもの想定し、解析のバリエーションに加える。 最終的には、これらの結果を集約し、ドーパント配向を利用した特殊プラスチック光ファイバーの応力センサー応用への、定量的な設計ガイドラインを取得することを目標としている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年9月より、代表者が現地の研究室に滞在し、共同研究を進めている。当初の想定以外の構造の導波構造などが変形を顕著にする上で有効であることなどが見出された。また、光ファイバー試料の作製も想定されていた困難な状況が実験的工夫により解消され、これまでに想定していなかった試料作りなどにも、新たに着手が進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
プラスチック光ファイバー試料は全て、プリフォームの熱延伸で作製する。その際に発生するファイバー径の変動幅が、センサー化した際に光学信号へ与える影響について解析を進める。異なる変動周期と変動幅を与えて複数の構造計算結果を比較し、その程度を評価する。並行して、本学での計測結果との整合性を検証する。
|