本国際共同研究では、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて補助事業期間の延長となっていたが、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の取り扱いが5類に移行されたことに伴い、2023年8月から渡航し、国際共同研究を実施することができたため、2023年度を最終年度とした。 最終年度は、清華大学精密機器工程系Tan研究室の訪問教員として、空間光変調器による波面制御とレーザー干渉計の組み合わせによるProfilometryに関する研究開発を行った。本研究課題である空間光変調に基づいた高分解能顕微計測にTan研究室の独自技術であるレーザーフィードバック干渉計を組み合わせることによって、微細構造を有する表面の高分解能計測を可能とした。同時に、国内においても、空間光変調器による波面制御による空間光変調照明の生成技術について研究開発を実施した。昨年度までは、位相シフト干渉法による波面計測と位相共役に基づいて波面を制御していたが、近接場散乱光が微弱であることにより波面計測が困難であるという問題について、波面最適化による位相共役を採用した。これにより、近接場散乱光、遠方からの微弱散乱光であっても波面制御が可能となり、応用範囲を拡大することができた。 研究機関全体を通じて、本研究課題についてFDTDシミュレーションによる理論検討、デジタル光位相共役鏡のプロトタイプの開発、近接場光共役散乱レンズによる高分解能光パターニング手法の提案、波面最適化による微弱光用位相共役技術の開発、を実施した。
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