研究実績の概要 |
本研究の目的は、独自に提案する反射往復爆轟サイクルの原理を解明し、爆轟エンジンの優位性(小型燃焼器での高い比推力、圧力ゲイン燃焼)を示すことである。2021年度は、新型コロナウイルスの世界的流行の影響で渡航せず、日本国内での研究を実施し以下の新たな結果を得た。 ガスエチレン‐ガス酸素を用いた反射往復爆轟サイクル(RSDC)のシュリーレン光学可視化と化学自発光観測を同時に実施し、これまで困難であった混合気充填過程と主燃焼領域の関係を初めて捉えた。これにより、爆轟伝播モードを支配していると考えられる混合気充填高さhと爆轟波発現条件を定量的に得ることに成功した。反射壁間距離W=45mmおよび25mmの2つの燃焼器を用いた可視化実験の結果、RSDCでの爆轟モード(波数nや伝播速度)は、無次元爆轟波伝播距離であるW/(n×h)で3±0.6の範囲で発生することが示された(Taguchi et al., Combustion and Flame, 2022)。
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