長残光蛍光体とは、励起光遮断後も光り続ける材料であり、長残光性を実現するには材料中に適当な電子を一時的に蓄える電子トラップが必要である。この電子トラップの深さが深すぎると電子が解放されにくく、浅すぎるとすぐに解放されてしまう。ランタノイドイオンや遷移金属イオンは、電子の捕獲中心になり得るが、そのトラップ深さの予測は難しかった。本研究では、これら電子捕獲中心イオンのエネルギー準位を真空準位を基準にして描いたエネルギーダイアグラムを構築することで、長残光を発現するために最適電子トラップイオンを予測し、種々の新規長残光蛍光体の開発に成功した。
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