研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
磁性薄膜と貴金属ナノ粒子から成る「磁気プラズモニック物質」に関する研究を実施した。この物質中の貴金属ナノ粒子から励起される局在表面プラズモン共鳴(LSPR)による増強電場の光波長依存性と定量を主目的とし、国立台湾大学にてDr. J. G. Linらと共に研究を実施した。複数の分光法を組み合わせてLSPRによる増強電場の評価を行った。LSPR励起波長では、他の波長帯と比較して顕著に電場強度が最大となることを明らかにした。
磁性材料
これまでは表面プラズモン共鳴やLSPRによる電場の増強は理論計算等から説明されてきた。本研究はこれを実際の物質において実験から観測した研究として意義がある。また物質中で励起するLSPRによってどの程度電場が増強するかの定量を行ったことも学術的に大きな意義がある。今回の研究ではLSPR励起波長では他の波長帯と比較して数桁に及ぶ電場強度の増大を明らかにした。この増強電場を利用することにより、物質の様々な物理的物性を増大あるいは変調でき、新奇物理的物性を開拓できる可能性がある。