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2022 年度 実績報告書

フロー式自己集積を利用した多孔性錯体微粒子のソフト集合体形成とその特性評価

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0411
研究機関京都大学

研究代表者

渡邉 哲  京都大学, 工学研究科, 准教授 (80402957)

研究期間 (年度) 2019 – 2022
キーワードSoft MOF / 自己集積 / スラグ流 / 球状集合体
研究実績の概要

本年度は,柔軟性多孔性配位錯体(Soft MOF)粒子を構成要素とした集合体形成手法の確立に取り組んだ。初年度に検討したスプレードライ法は5-15wt%という高い粒子濃度の懸濁液調製がネックとなっていた。それを解決すべく,懸濁液のエマルションをスラグ流を利用したフロー系で作製し,それを乾燥させることによる集合体形成を試みた。得られた集合体は,0.5~1 mm程度で,形状は重力の影響によりラグビーボール型に近くなった。集合体内の細孔径分布を測定したところ,粒子同士の間隙に対応するマクロ孔の存在が確認された。本手法は,1wt%程度の低い懸濁液濃度で集合体形成可能であり,しかも大きな処理量を実現できるため,本研究の目的に照らして,重要な成果を挙げることができた。
本国際共同研究では,Soft MOFの実用化に向けて,その特異な吸着特性を損なわない成形手法の確立を目指し,Soft MOF(ELM-12)のコアシェル化と吸着特性評価,そして液相スラグ流を用いた自己集積体の作製を行った。採択が2019年で,初年度は予定通りドイツに渡航,滞在し研究を実施することで,スプレードライ法の課題を見出すことができた。残念ながら,2020年以降は新型コロナウィルス感染症の蔓延のため渡航が叶わず,渡航期間が180日に満たなかった。しかし,初年度の滞在で得た知見と,メール・ZOOMを通じたProf. Vogelとの継続的なディスカッションによって,研究計画を変更し,より良い手法を求めての検討を行い,最終的にスラグ流を活用した方法を見出し,研究目的を達成することができた。本国際共同研究を通じて,研究課題の推進はもちろん,国際的な学術ネットワークを広げることもできた。特に,Prof. Vogelとの協力関係は現在も進行中であり,両者の関係を基礎に,国際共同研究のさらなる発展に向けて取り組みを継続したい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2019

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] University of Erlangen-Nuremberg(ドイツ)2019

    • 年月日
      2019-08-25 – 2019-09-22 | 2022-05-212022-05-29 | 2023-03-182023-03-24
    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      University of Erlangen-Nuremberg
    • 主な海外共同研究者名
      Nicolas Vogel
    • 部局
      Chemical and Bioengineering
    • 職名
      Associate Professor
  • [学会発表] Formation and Characterization of Spherical Superstructures Composed of ZIF-8 Particles2022

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Watanabe, Atsushi Fujiwara, Minoru T. Miyahara
    • 学会等名
      Fundamental of Adsorption 14th international conference
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Flow Synthesis of Metal Nanoshells and Nanoporous Core-Shell Particles Using Microreactor2022

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Watanabe, Minoru T. Miyahara
    • 学会等名
      International Powder and Nanotechnology Forum 2022
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ソフト多孔性錯体(ELM-11)の大気暴露による細孔容量の減少機構解明とコアシェル化2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉 哲,平出翔太郎,國光隼,藤原篤史,宮原 稔
    • 学会等名
      第35回日本吸着学会研究発表会
  • [学会発表] 多孔性錯体微粒子の合成と集積2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉 哲
    • 学会等名
      大阪工業大学界面化学研究会 第31回講演会
  • [図書] 吸着技術の産業応用~基礎知識・吸着剤の特性・技術応用事例~2023

    • 著者名/発表者名
      渡邉 哲(分担執筆,第5章4節)
    • 総ページ数
      348
    • 出版者
      情報機構
    • ISBN
      978-4-86502-244-5

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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