研究課題
本研究では,指向性エネルギー堆積法を利用し,構造最適化によるメカニズム設計に基づき,金属負熱膨張複合材料を開発する.指向性エネルギー堆積法とは,任意の金属材料をノズルにより上から直接供給し,レーザーで溶融しながら構造を積層していくという手法であり,供給材料が異なる二つのノズルを切り替えながら造形することにより,金属複合材料が一度のプロセスで作成可能である.この技術に関して,海外共同研究者であるAlbert To教授は第一人者であり,研究交流を通じて世界最先端の技術の習得を図った.本研究では2018年度及び2019年度において,海外共同研究者の元に滞在し,指向性エネルギー堆積法の原理及び造形プロセスの解析技術について指導を受けながら,構造最適化構築のための基礎情報を収集した.しかし,指向性エネルギー堆積法は精度に難があり,かつ機器の故障で滞在中に使用できない期間が長かったものであるから,計画の見直しが必要なことがわかった.そこで,本研究では二つの方向性で計画変更を行った.まずは,当初の研究を実現するため,新たな製造法を検討する方向性である.本研究では代替手法として積層造形で二種類の型を造形し,二段階の鋳造による負熱膨張複合材料の形成法を検討した.そして,もう一つの製造法として,熱溶解積層方式(FDM)を活用し,二種類の異なる材料を用いて造形する方法も検討した.検討の結果,樹脂であれば可能であり,特に負熱膨張材料をフィラーとして含む材料での造形が可能であれば大きなCTE差が期待できることがわかった.もう一つの方向性としては,海外滞在中に学習した最先端の研究課題である,金属積層造形の残留変形抑制に関する研究である.こちらも熱膨張に関連する研究であり,本来の研究で使用する専門知識が大いに活用でき,傾斜機能ラティス構造を構造内部に導入することで,残留変形の抑制する手法を開発した.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers, Part H: Journal of Engineering in Medicine
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