本研究では、人工ナノひずみ制御技術を熱電や超伝導だけでなく、スピントロニクスデバイスに発展させることを目指した。成果として(1)銅酸化物超伝導薄膜に新たなひずみを導入し、電気特性向上に成功した。(2)新ニッケル酸化物超伝導薄膜へのひずみの影響を調べるために、還元処理によりひずみを制御し、従来の超伝導とは異なる特徴的な振舞いを見出した。(3)酸化物強磁性薄膜へのひずみを印加するため、異なる基板上に酸化物強磁性薄膜を作製し、磁化特性の向上に成功した。(4)磁気抵抗メモリ応用に期待されているトポロジカル絶縁体/磁性薄膜へのひずみを印加・制御するため、熱処理によりひずみ制御した薄膜は高い特性を示した。
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