研究課題/領域番号 |
18KK0415
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
小林 純 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20385404)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2020
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キーワード | 細胞シート / mRNA送達 / 細胞外マトリックス / リバーストランスフェクション |
研究実績の概要 |
高度な代謝機能を持つ肝臓や心筋組織を細胞から作るためには、血管等の脈管構造をはじめとする細胞組織の三次元(3D)微細構造の制御が必須である。我々の研究所は細胞シートを積み重ねることで3D層状構造の具現化に成功しており、これを基盤テクノロジーとして、メッセンジャーRNA(mRNA)送達により3D組織内部に血管新生因子を発現させ、生体に移植可能な脈管構造をもつ3D肝臓および心筋組織の作製に取り組んでいる。しかし、非分裂性の初代肝細胞からなる肝細胞シート組織へのmRNA送達は、分裂性の細胞シート組織に比べて遺伝子導入効率が低い。そこで本国際共同研究は、細胞シート組織周囲の細胞外マトリックス設計の観点から高効率なmRNA送達手法を達成し、積層化細胞シート組織内部での血管形成誘導手法開発を促進することを目的とする。その実現のために、細胞シート底面の細胞外マトリックスからmRNA送達を行うための培養基材を設計する。 当該年度は、2019年11月3日~12月27日の約2ヶ月間、韓国ソウルの慶熙大学校歯学部Il Keun Kwon教授の研究室に滞在し、共同研究を実施した。具体的には、エレクトロスピニング法の習得、ナノファイバー足場の作製を行った。ナノファイバー足場に用いる生分解性高分子の合成に関しては、浦項工科大学Won Jong Kim教授の協力を得た。また、作製したナノファイバー足場上でラット初代肝細胞を培養し、蛍光顕微鏡と走査型電子顕微鏡による細胞接着性の評価を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、米国ジョージア工科大学Andres J. Garcia教授の研究室に滞在し、リバーストランスフェクション時に細胞内に取り込まれやすいと期待される低分子量フィブロネクチンフラグメントFNIII7-10の設計・作製を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響で渡航時期を次年度に延期した。
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今後の研究の推進方策 |
肝細胞培養に最適なナノファイバー紡糸方法、素材等の条件検討を引き続き行う。また、培養細胞底面からmRNA送達を行うための基材を調製する。mRNAを固定化した基材表面で細胞を培養し、培養細胞に対してのmRNA送達の効率を検証する。さらに、低分子量フィブロネクチンフラグメントと共固定することで、より効率的なmRNA送達を目指す。
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