研究課題/領域番号 |
18KK0415
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
小林 純 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20385404)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2022
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キーワード | 細胞シート / mRNA送達 / 細胞外マトリックス / リバーストランスフェクション |
研究実績の概要 |
高度な代謝機能を持つ肝臓や心筋組織を細胞から作るためには、血管等の脈管構造をはじめとする細胞組織の三次元(3D)微細構造の制御が必須である。我々は、メッセンジャーRNA(mRNA)送達により3D組織内部に血管新生因子を発現させ、生体に移植可能な脈管構造をもつ3D肝臓および心筋組織の作製を目指している。そこで本国際共同研究は、細胞シート組織周囲の細胞外マトリックス設計の観点から高効率なmRNA送達手法を達成するために、細胞シート底面の細胞外マトリックスからmRNA送達を行うための培養基材を設計する。 今年度は、韓国の慶熙大学校歯学部 Il Keun Kwon教授と浦項工科大学 Won Jong Kim教授の協力を得て、エレクトロスピニング法によるナノファイバー足場の作製および細胞接着性を向上するための表面修飾法に関する検討を行った。まず、末端にアルキン基を有するヘパリンを合成した。さらに、アジド基を有するポリカプロラクトンからなるナノファイバー表面にクリック反応でヘパリン分子を固定するための予備検討として、アルキン基を有する蛍光分子とアジド基を有する表面との間でのクリック反応を行い、表面に固定された蛍光分子を蛍光顕微鏡で半定量的に観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、米国ジョージア工科大学Andres J. Garcia教授の研究室に滞在し、リバーストランスフェクション時に細胞内に取り込まれやすいと期待される低分子量フィブロネクチンフラグメントFNIII7-10の設計・作製を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響で渡航時期を延期した。
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今後の研究の推進方策 |
培養細胞底面からmRNA送達を行うための基材を調製する。具体的には、mRNAを固定化した基材表面で細胞を培養し、培養細胞に対してのmRNA送達の効率を検証する。さらに、低分子量フィブロネクチンフラグメントと共固定することで、より効率的なmRNA送達を目指す。
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