研究課題/領域番号 |
18KK0416
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
田中 信行 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (00724692)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2024
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キーワード | 濡れ性 / 細胞外マトリックス / フィブロネクチン / 気体噴射液体排除法 / 界面分子 |
研究実績の概要 |
本研究では、研究代表者が世界で初めて実現した気体噴射液体排除法による細胞組織濡れ性評価法と海外共同研究者が独自に開発した空間的・力学的細胞外マトリックス動態評価法を用いて、細胞分化時のダイナミックに変化する濡れ性とマトリックス動態から細胞の品質を非破壊的に評価することを目的としている。本年度は、海外共同研究者が来日する機会があったため先方の来日時に研究進捗報告やディスカッションを行い、実験などは本邦で実施した。 本研究で核となる気体噴射液体排除法およびマトリックス動態評価法はいずれも画像ベースの評価法であり、増加する実験データの解析を効率的に実施するために、研究代表者の知見を活かして機械学習ベースの画像処理ソフトウェアを開発している。また、海外共同研究者とのディスカッションの中で現在取得可能な細胞外マトリックスのひずみ情報に加えて、細胞張力を取得する新たな手法についても検討を進めている。 また気体噴射液体排除法を実施することで、細胞外マトリックスの培養基材への吸着が変化することが蛍光顕微鏡画像から明らかとなった。今後、細胞外マトリックスのひずみや吸着量を調査することで、メカニズムの解明や生物学的関連性、工学的応用可能性について考察を進める方針である。 また、細胞外マトリックスの性質をふまえたバイオマテリアル界面設計や個体由来の細胞組織表面の濡れ性評価を開始することができ、本研究を核とした新規課題の広がりに方向性を見出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究拠点の移転があり、再整備に時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究拠点の再整備については目処が立ち、計画通り推進していく予定である。
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