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2019 年度 実施状況報告書

木質バイオマス処理技術の高度化に資するマルチスケール構造解析・評価技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0417
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

三木 恒久  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (20415748)

研究期間 (年度) 2019 – 2021
キーワード木材・木質材料 / 評価技術 / 微細構造 / 物性
研究実績の概要

産総研で実施してきた木質素材のマルチスケール構造解析技術とチューリッヒ工科大学(ETH)およびスイス連邦材料試験研究所(Empa)が保有するナノからマクロ領域での木質成分と化学物質の相互作用評価技術を摺り合せて、木質バイオマス処理技術を工業材料と呼べる技術へとレベルアップさせるための評価技術を開発することが目的である。特に、基課題で検討してきた申請者らの微細構造評価と木質細胞・組織レベルでのミクロ物性試験ならびにケミカルマッピング手法を摺り合わせて、構成分子・ナノ空隙・細胞レベルにおける改質剤の化学処理の均一性等の品質を評価する技術を開発する。
申請者は、2019年3月からETH/EmpaにVisiting researcherとして赴任・在籍し、熱分析による膨潤状態での木質細胞のナノ空隙構造の評価に関する検討を進めてきた。また、ETHのグループでも、同様のサンプルを用いて水蒸気吸着測定を行い、相互に得られた結果を検討している。さらに、エポキシ樹脂を含浸した木材について、細胞組織内でのエポキシ基のケミカルマッピングならびに走査プローブ顕微鏡による物性マッピングの検討を開始した。無処理木材のナノ空隙に関して、含水率の変化に対応するように細孔直径50nm以下の領域が大きく変化することを示した。この変化挙動は、応力履歴や成分処理によって変化することがわかり、樹種ならびに処理の影響に関してデータを蓄積しているところである。木材中に含浸された樹脂は、単独での硬化挙動と異なる傾向を示したため、組織レベルでの検討を本格化するには、サンプリング条件の再検討が必要となった。2020年2月に一旦帰国し、現在までの結果を鑑みて、国内で実施する課題と海外で実施する課題を整理し、次の赴任に向けた調整を行っている。国内外の情勢が落ち着けば、再び渡航を開始する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウィルス拡大防止のため、現在、産総研職員としての海外渡航ができない状況にある。当初計画していた赴任スケジュールを見直しながら、国内で実施できる検討課題を増強(研究分担者の増強)して、計画遅れを挽回できるように新たな計画を策定しているところである。

今後の研究の推進方策

当面、海外赴任ができない状況にあるため、ETHでの実施予定であった顕微ラマン分光法によるケミカルマッピングの検討課題について、産総研内で実施できる体制を急遽検討している。適切な分担研究者を見出すとともに、装置スペック上、同様の測定が可能かどうかの検討を開始した。また、局所物性測定に関しても、可能な限り、国内で対応できるように再考している。得られた結果は、国内での研究分担者とともにETH/Empa研究者と議論できるような体制を構築する。

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公開日: 2021-01-27  

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