研究課題/領域番号 |
18KK0417
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
三木 恒久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (20415748)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2022
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キーワード | 木材・木質材料 / 評価技術 / 微細構造 / 物性 / 変形 |
研究実績の概要 |
これまでに、化学修飾した木材の微細構造評価として、赤外分光法(FTIR)、固体核磁気共鳴分光法(固体NMR)、顕微ラマン分光法による検討を行っている。 今年度は、ベンジル化処理、脱リグニン処理を施した木材について、微細構造と変形特性を含めた物性変化について検討した。 木材表面を非加熱下で迅速にベンジル化する手法を開発した。得られたベンジル化木材は、長時間の加熱撹拌を伴う従来法で作製したものと同程度かそれ以上のベンジル置換度を有しており、かつ糖鎖へのダメージが少なかった。得られたベンジル化木材はある程度の疎水性と熱可塑性を有していた。150℃で5分間の簡単な熱処理により、水の接触角110°以上の疎水性木材表面が得られた。また、ベンジル化は板材表面から1,2細胞程度のごく表面近傍のみで生じていることが確認された。 脱リグニン処理を施した木材について、脱リグニン過程における細胞壁内のリグニン分布やそれに伴う変形・流動挙動についてFTIR,顕微ラマン分光法、固体NMRの分析によって明らかにした。以上、産総研の保有技術である「木質流動成形」について、その高度化に資する評価方法の基礎データを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス拡大防止のため、引き続き、産総研職員としての海外渡航ができない状況にある。当初計画していた赴任スケジュールを見直しながら、国内で実施できる検討課題を推進してきたが、今後の海外渡航再開に備えて、渡航先で実施すべき内容を精査していく。
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今後の研究の推進方策 |
依然として、海外赴任ができない状況にあるため、当初赴任先で実施予定であった顕微ラマン分光法によるケミカルマッピングの検討課題について、今年度、産総研内で対応できるように調整した。局所物性測定の詳細に関してETH/Empa研究者と議論できる準備を進める。
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