研究課題/領域番号 |
18KK0422
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
宇野 好宣 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (60609717)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2021
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キーワード | 脊椎動物 / オーストラリアハイギョ / 核型進化 / マイクロ染色体 / FISH |
研究実績の概要 |
本年度は、来年度夏から実施予定である、海外共同研究者であるTariq Ezaz博士(University of Canberra、キャンベラ、オーストラリア)の研究室で行う実験を速やかに遂行するための綿密な打合わせや、準備段階の解析を進めている。本研究では、オーストラリアハイギョとアフリカハイギョにおけるFISH法を用いた比較染色体解析を行うが、本年度は渡航前であるために実験自体を実施していない。そこで、渡航後の実験を速やかに遂行するための準備段階の解析として、FISHマッピングのプローブとして使用する遺伝子の選抜を行った。これまでの先行研究において、真骨魚類や哺乳類よりも、両生類や爬虫類、鳥類は四肢動物(両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)の共通祖先に類似したゲノム構造をもつと考えられている。したがって四肢動物の共通祖先に系統的に最も近縁な現存種のハイギョも、両生類や爬虫類、鳥類と類似したゲノム構造を保持している可能性が高い。そこで本年度は、Ezaz博士に助言を頂きながら、ヒトやニワトリ、ツメガエル、メダカなどの脊椎動物種の公開されている全ゲノム情報を比較することで、鳥類や爬虫類、両生類で高度に保存されている遺伝子シンテニーを同定し、そのシンテニー内に存在しかつ複数の脊椎動物種でエクソンの塩基配列が高度に保存されている遺伝子を、ハイギョにおけるFISHプローブ用候補遺伝子として複数選抜した。また、来年度にEzaz博士の研究室で行う、染色体標本の作製からFISHマッピングにおける一連の実験における綿密なプランニングも並行して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
渡航前に日本にて行う予定である解析を実施していることから、概ね計画どおりに進行している。本年度は、渡航前もしくは渡航直後に行う予定である準備段階の解析を実施している。概ね計画どおりに進行している。またこの解析は、計上した研究費を使わずに遂行することが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
渡航後は速やかにオーストラリアハイギョにおける染色体標本の作製やFISH法を用いた染色体マッピングによる比較解析を実施し、マイクロ染色体の起源を含めた脊椎動物のゲノム・染色体進化の考察を行う。
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