現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内で行うべき課題として、好中球細胞質の顆粒分子PTX3のペプチド配列のサンプル作成とin vivo, in vitroのスクリーニング解析があり、8割程度終了した。マウスに特定のペプチドを不完全フロイントアジュバンドと免疫し、脾臓細胞を採取、主にT細胞の抗原特異的な反応をT-SPOTなどで定量した。結果として、46のペプチド配列のうち、PTX3の属するペントラキシンファミリーに共通するドメインに存在するペプチド(2配列;pep#26, pep#32)に極めて強い抗原特異的反応が見られた。また、非特異的なT細胞反応を来すもの、全く反応しないものも複数同定することができた。これらは、今後のin vivoおよびin vitroの解析を通してコントロールとして重要な意味がある。 二次的なアミノ酸レベルの詳細な解析は必要であるが、特定されたペプチドを大量かつ長期で免疫する方法で、自己免疫病の病態が形成されるかの観察する予備実験は開始した。また、自己免疫性腎炎惹起のための新規実験系の開発に取り組み始めた。ただし、ネガティブコントロール、ポジティブコントロールの設定は極めて難しいことが、申請者および共同研究者の検討から明らかであり(Nagai K, Gan PY, et al. in preparation)、やはり当初計画の完遂には海外渡航が望ましい。 他方、新型肺炎ウイルスCovid-19により、2020年1月に研究ビザ発給のため、先方(Monash大学人事課)に依頼したNominationは同年3月に一時保留された。世界的パンデミックの状況下で今のところ渡航のめどは立たず方策を検討中である。
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