TRPタンパクは、様々な外部刺激によって活性化されるカルシウムイオンチャネルであり、 環境センサーとして全身の臓器や組織に広く発現している。これまでの全身の様々な細胞における解析から、このチャネルタンパクは細胞増殖や分化、細胞死など、幅広い細胞機能を制御することが明らかとなっている。それに加え、近年では様々な疾患に関連することが報告されている。 申請者は過去に、TRPチャネルタンパクスーパーファミリーのひとつであるTRPV1の活性化が歯周炎に対して抑制的に働くことを報告し、そのメカニズムを解析する中で、TRPチャネルタンパクがToll-like receptor(TLR)を介した自然免疫応答を制御している可能性が示唆した。 本年度はこれまでに得られた知見をまとめ、論文化の準備を進めた。
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