研究課題/領域番号 |
18KK0436
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
丸山 史人 広島大学, 学術・社会連携室, 教授 (30423122)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2021
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キーワード | ゲノム / 病原細菌 / 機能ゲノム / CRISPRi |
研究実績の概要 |
当該年度は、予定通り2度、主要カウンターパートBaughn博士の研究室に滞在した。一度目は、一月間未満と短い滞在であった。予定していた研究計画、滞在計画の確認および滞在場所の生活基盤、大学のネットワークや施設利用のための手続きに時間を使用した。また、その他の研究者との面談などを通じて、共同研究の円滑な遂行のための基盤を築いた。二度目の渡航では、一ヶ月間以上を滞在し、事務手続き等に時間を取られることなく、実際の予定していた研究を遂行した。この滞在時には、その渡航前に申請した科学研究費補助金の関連課題への協力および、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の関連課題についても、有機的な協力を要請、快諾を得た。また、この渡航では、アメリカ有数の規模を誇るミネソタ大学ゲノムセンターとの共同研究体制を確認、実際のゲノムシーケンスと解析方法についての議論を行った。また、日本の研究者のウェブ会議を通じて、新しい研究テーマの実施をすすめることとなった。さらに、日本の学会にNew England Journal of Medicine誌の編集長を務めるハーバード大学のRubin博士を本研究協力者で、ミネソタ大学にも所属していた藤田医科大学の港博士と招聘し、種々の大学も含めて交流をすすめるとともに、本研究課題に関する新たな共同研究を開始することで同意した。本課題で取り扱う、非結核性抗酸菌のゲノム、エピゲノム情報は予定どおり集められ、その解析も順調である。また、Tn-seqの準備は日本でも進めている。CRIPRiの網羅的なデザインは結核菌で実施しており、実験的な検証をするのみとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述したように、予定通りの渡航を行い、他の関連研究課題と相利関係のもと、本研究課題は進められている。また、世界的に著名な研究者との交流や新たな共同研究開始について合意したことを鑑みると、順調に進んでいると判断できる。また、実験的な成果としては、渡航先のみならず、日本でも類似研究ができるような基盤を形成しつつあること、本課題の遂行に必要な情報解析基盤整備、そして、実験実証を待つのみの情報学的な成果はだすことができたことから、順調な進捗と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、実験のみならず、多くの情報解析も課題としてある。現在のコロナウイルス感染症の世界的な蔓延の状況を鑑みると、次の渡航は、十分に時期を考える必要がある。そのため、カウンターパートのBaughn博士と相談し、双方の合意のもと、再度、渡航時期を調整する。
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