研究課題
2021年6月より12月にかけてColumbia UniversityのProf.Acciliの研究室に滞在し研究活動を行った。コロナ禍の影響はニューヨークにも波及しており、ヒト膵島の入手は通常時と比べて十分ではないとのことであった。そうした環境下ではあったが、Accili博士ならびにラボメンバーの協力もあり、研究を実施することができた。まず、ヒト膵臓の凍結切片を2型糖尿病患者ならびに健常者の2群に分けてn=3ずつ解析を行った。n数が少ないことから予備検討になるが、2型糖尿病患者の膵島では小胞体ストレスマーカー(ATF4やXBP1など)や脱分化マーカーであるALDH1A3の発現亢進が確認された。さらに、p27やp16といった細胞周期調節因子に関して確認したところ、やや個人差があるものの2型糖尿病患者群で発現亢進傾向が確認された。p57に関しては、適当な抗体を入手することができず免疫染色では有意な傾向を認めなかった。その後、2型糖尿病患者の膵島と非糖尿病患者の膵島を入手した。ゲノムDNAを抽出し、KCNQ1のイントロン15に存在するSNP(Nat Genet, 2008)をシークエンスによって確認したところ、2型糖尿病患者群においてはSNP有と無が一つずつ、非糖尿病患者群においてはいずれも病的SNPを認めなかった。これらの膵島からRNAを抽出しnon-cosing RNAであるKCNQ1OT1発現をリアルタイムPCRで解析したところ、2型糖尿病患者群のSNP有の膵島において最もKCNQ1OT1発現低下ならびにp57発現上昇が確認された。
すべて 2022 2021 2020
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
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