2020年3月までMITにて共同研究し、マイクロドライブの作成を習得してきた。帰国後、所属研究室にて、自力で作成を試みる準備を進めた。コロナ禍もあり、予定していた計画通りには進んでいないが、着実に前進している。さらに、幻覚のモデルとしてラバーテイル試験を用いて検討する予定であり、その測定系の立ち上げを行なっている。また、さまざまな行動実験を行えるように、10種類ほどの行動実験系をセットアップし、行動テストバッテリーを実施できるように研究環境を整備した。さらに、別の手段による幻覚モデルの行動実験系を試行錯誤しながら行っている。さらに、幻覚の神経基盤としての解剖組織学構造として、想定される神経回路を同定するため、候補となる神経回路を神経トレーサーを用いて検討した。また、本研究計画で使用する視床網様核特異的Cre発現マウ スの作成も順調に進んでいる.今年度はさらに、計画を拡張させ、統合失調症モデルマウスとして、申請者が開発したPV-GAD67欠損マウス以外に、統合失調症関連遺伝子欠損マウス、MK-801投与薬理モデルや、昨今薬物過剰摂取で問題となっているデキストロメトルファンを投与したマウスの行動試験を行い、基本的なデータの取得を行なった。これらの複数の統合失調症モデルマウスの解析結果を統合して、注意選択機構の異常と幻覚との関連性を明らかにする。
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