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2021 年度 実施状況報告書

神経疾患創薬を志向した大脳オルガノイドの開発とそれを利用した多検体解析技術の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0443
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

平野 和己  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40707709)

研究期間 (年度) 2019 – 2022
キーワード大脳オルガノイド / 海馬発生 / てんかん
研究実績の概要

近年、3次元大脳発生モデル「大脳オルガノイド」が報告されたが、ヒト多能性幹細胞(ES/iPS)細胞に起因する課題(長い誘導期間、高い培養コスト、神経系以外のジャンク細胞の存在)が山積しており、多検体をハイスループットに解析する創薬スクリーニングへの利用には適していない。本申請課題では基課題で確立した大脳オルガノイド誘導技術を発展させ神経疾患創薬を志向した新たな大脳オルガノイドの作成を目指す。この新規オルガノイドを用いた神経疾患創薬への応用の足がかりとして、最も頻度の高い神経疾患のひとつである「てんかん」に着目した。てんかんは、異常な神経興奮が乱発する神経疾患であり、側頭葉てんかんに関しては、海馬を起点に興奮が広がる事が多い。てんかん発作後のラット海馬では、新生神経細胞が適切な配置を取る事が出来ず、異常な神経興奮を繰り返す事が報告されている。このように異所的な配置を取る新生神経細胞を無力化する方法がてんかん根治には必要となが、脳発達期における3次元的な位置情報が重要となる為、その評価系には、3次元馬発生モデルの作成が必須となる。本年度は、WNTシグナル促進剤CHIR99021とSHHシグナル促進剤を組み合わせることで、PROX1陽性神経細胞を大量に含む海馬オルガノイドを作成することに成功した。今後、この海馬オルガノイドを用いた疾患モデルへの応用を視野に入れた検討を進める予定である。本年度(2021年度)は、新型コロナウイルス蔓延の影響で渡米できずに日本に滞在し上記の検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

概要でも述べたが、新型コロナウイルス蔓延の影響で現在も渡米できずにいる。滞在先であるテキサス大学サンアントニオ校のHsieh教授とは密に連携を取っており、状況が落ち着き次第渡米する予定である。当初の予定とは異なるが、渡米前に日本で海馬発生モデルの創出と疾患研究への応用を検討する ことができた。

今後の研究の推進方策

今後、開発した海馬オルガノイドに様々な疾患リスク要因を導入することで、疾患発症リスクへの関与を検討していく予定である。また、その過程でオルガノイドの観察に適したイメージングにも着手する。

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公開日: 2022-12-28  

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