研究課題
高い網羅性と定量精度の両面を兼ね備えた次世代型プロテオミクス法であるSWATH法を用いて、肝臓をモデル臓器として、トランスポーターの局在を網羅的に解析する手法を確立した。胆管側と血管側の細胞膜画分のSWATH peak areaの比率を取ることによってトランスポーターの局在を推定した。局在が報告されている34トランスポーター中32分子について、推定された局在が報告の局在と一致した。従って、SWATH法によって局在を推定できることが示された。これまで局在が報告されていない細胞膜に発現する27トランスポーターの局在を新規に推定できた。論文発表済みである。中枢関門の一つである血液クモ膜関門について、ヒト、イヌおよびブタの組織を対象に、トランスポーター・受容体・酵素・密着結合分子のタンパク質絶対発現量を網羅的に解明した。有機カチオン性薬物トランスポーターであるOCT2・MATE1や、有機アニオン性薬物トランスポーターであるOAT1・OAT3の高発現が、ヒトを含めたいずれの動物でも示された。これらは、ヒトを含めた大動物の脳血管では発現しないか・発現量が極めて小さいトランスポーターであることから、血液クモ膜関門が、血液と中枢組織の間での有機カチオン・アニオンの主要な物質交換ルートであることを示唆している。論文発表済みである。新型コロナウィルス感染症の流行のため、国外への渡航が制限され、スイス共同研究先で予定していた共同解析内容について実施することができなかった。この間、上述の実験・解析や論文執筆など、国内で実施可能な内容について実施し、複数の論文をpublishすることができた。新型コロナウィルス感染症の流行がおさまり次第、2021年度に実施できなかった計画を再開していきたいと考えている。
4: 遅れている
新型コロナウィルス感染症の流行のため、共同研究先のスイス連邦工科大学へ渡航することができなかったため、共同で実施を予定した実験・解析について進んでいないため。
新型コロナウィルス感染症の流行がおさまり次第、2021年度に実施できなかった計画を再開していきたいと考えている。
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