本研究では,脳のバイオメカニクスとハイドロダイナミクスを統合的に解析する新たな頭蓋内環境評価システムの確立を目指した.具体的には,申請者が開発した揺動MRIによる脳の弾性,血流,細胞構造などのバイオメカニクス情報と,共同研究者のAlperin教授らが開発した位相コントラストMRIによる頭蓋内圧およびコンプライアンスなどのハイドロダイナミクス情報を統合解析する新たな頭蓋内環境評価法を考案した.本手法は造影剤や特別なパルスシーケンスを必要とせず,脳腫瘍など脳のバイオメカニクスとハイドロダイナミクスが変化する疾患の病態解明に貢献し,非侵襲的な診断法として臨床応用できる可能性がある.
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