研究課題/領域番号 |
18KK0451
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
加藤 健太郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (50508885)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2021
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キーワード | Entamoeba histolytica / レクチン / 赤痢アメーバ |
研究実績の概要 |
本研究課題では、赤痢アメーバの感染に必須であるレクチンのIglサブユニットと他の病原性因子との分子間相互作用を明らかにするとともに、レクチン活性を有するIglサブユニットの糖鎖認識特異性を明らかにすることを目的として研究を進めている。 今年度は新型コロナ感染症が世界的に蔓延し、アメリカ合衆国・バージニア大学およびデンマーク・コペンハーゲン大学に赴いて研究を行うことができなかった。特に、デンマーク・コペンハーゲン大学で開発された新規糖鎖アレイを日本国内で用いることができなかったため、アメリカ合衆国・バージニア大学との共同研究で現在までに得られている研究結果の確認実験を国内で行い、Iglサブユニットと他の病原性因子との分子間相互作用に関する研究を進めた。 具体的には、赤痢アメーバレクチンのIglサブユニットとHglサブユニットが、赤痢アメーバ細胞膜上では共局在しているのに対し、細胞質内では共局在せず、異なる小胞にそれぞれ局在することを再確認した。 また、Iglサブユニットと相互作用する他の病原性因子の同定を試みている過程で、赤痢アメーバ培養上清中にIglサブユニットが少なくとも3つの分子種として存在することが明らかとなった。これらの分子の大きさが赤痢アメーバの培養条件によって異なることが分かり、その違いがIglサブユニットの翻訳後修飾によるものか調べた。その結果、少なくともIglサブユニット上のN-結合型糖鎖の違いによるものではないという結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は新型コロナ感染症が世界的に蔓延し、アメリカ合衆国・バージニア大学およびデンマーク・コペンハーゲン大学に赴いて研究を行うことができず、コペンハーゲン大学で開発された新規糖鎖アレイを日本国内で用いることができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も新型コロナ感染が継続的に流行するか終息するかにより影響を受けるが、残りの定められた期間、アメリカ合衆国ならびにデンマークに赴き、研究を推進する。 アメリカ合衆国・バージニア大学においては、Iglサブユニットと相互作用する病原性因子の同定を進め、デンマーク・コペンハーゲン大学においては、Cell-based glycan arrayを用いてIglサブユニットの糖鎖親和性解析を行う。
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