研究課題
コロナの影響もあり、研究の中断が余儀なくされた時期もあったが、遅いながらも少しずつ研究の遂行は可能であった。次世代内視鏡関連の研究をいくつか論文として報告した.蛍光内視鏡関連の研究として、①マウス同所性肺癌モデルにPhotosesityzerを投与し、内視鏡下に蛍光を同定するモデルを確立した(Transl Lung Cancer Res 2021)。これは現在考えうる中で最小のモデルであり、今後の研究に大きく活用できるものと考える。②次に、ナビゲーション内視鏡技術に関して、Veran社の SPiNDrive ENB systemの少数例の使用経験を報告した(Journal of Thoracic diseases, 2021 in press)。また、③内視鏡を使用した新しい治療法や使い方の提案として、肺動脈血栓症に対して気管支内視鏡を使用し、直接血栓溶解剤を投与する治療法を開発に着手した。まずブタでの肺動脈モデルを確立し、そのモデルを使用し、実際に血栓溶解効果を確認した(The Annals of Thoracic Surgery 2020)。現在取り組んでいる取り組みに関して、①蛍光内視鏡に関して新たな局在同定マーカーの開発(ODS MEDICALとのコラボレーション)、新しいPhotosesityzer:OTL38の評価(Jonson and Jonson とのコラボレーショ)、PDT治療について検討している。②超音波技術に関してMicrobubbleとEBUSを使用した新しい肺癌の治療戦略の検討が挙げられる。またAI技術を使用した超音波内視鏡画像の解析も行っており、この解析技術や解析結果を他の内視鏡技術にも応用できるか検討予定である。
3: やや遅れている
トロントではコロナの影響で一時研究を中断せざる得ない状況があった。また実験の再開が可能となったあとでも、研究室内の厳格な人数制限もあり、コロナ前と同様のスピードで実験を遂行することが不可能であったため。予想以上の研究の遅れが生じた。現在も状況は悪く、2021年度も同様の影響が考えられる。
コロナによる規制を遵守しながら、研究を進めていく。Photosesityzerに関しては内視鏡手術、光線治療に関して有力なPhotosesityzerが我々のコラボレーターより提供されているため、これを使用した新しい治療法の可能性や、内視鏡技術への応用を進めていく。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Translational Lung Cancer Research
巻: 10 ページ: 243~251
10.21037/tlcr-20-813
The Annals of Thoracic Surgery
巻: 20 ページ: -
10.1016/j.athoracsur.2020.08.043