渡航前にヒトiPS細胞から心臓を構成する細胞種、特に内皮細胞と平滑筋細胞への分化・精製方法を確立、明文化しておく(心筋細胞については既に確立済み)。更に先方とHCM患者のサンプリングについて相談する。 渡航後は、心臓の脱細胞化マトリックス内にヒトiPS細胞から分化した心臓を構成する細胞種、心外膜細胞、心室筋細胞、心筋線維芽細胞、内皮細胞と平滑筋細胞を充填することを試みる。心筋層には心外膜細胞、心室筋細胞、心筋線維芽細胞を、血管網 には内皮細胞と平滑筋細胞を充填する。その方法として、まずは主流の細胞の還流による方法を考えている。還流法で難しい場合は以下の代替案も検討する。A:細胞単体ではなく小さな凝集体にしてから還流する。B:心筋前駆細胞を播種して、脱細胞化マ トリックス内で心筋細胞への分化を誘導させる。C:心臓全体への還流で難しい場合、まずは心室組織のマトリックス部分のみを用いて充填する。これらの方法を駆使して三次元心筋組織の構築を目指す。
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