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2019 年度 実施状況報告書

生体内因子・小胞体ストレスによる肥満・生活習慣病形成機構の分子機序解明と創薬

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0463
研究機関広島大学

研究代表者

細井 徹  広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (40379889)

研究期間 (年度) 2019 – 2021
キーワードレプチン / レプチン抵抗性
研究実績の概要

レプチンは脂肪組織より循環血液中に分泌され、主に脳の神経細胞に作用し、抗肥満作用を惹起するタンパク質である。一方、肥満患者においてはレプチンが効きにくくなる状態、すなわちレプチン抵抗性の状態であることが報告されており、レプチン抵抗性のメカニズムを明らかにすることが課題となっている。私たちは、現在までの研究の結果、レプチン抵抗性のメカニズムの一部に小胞体ストレスが関わる可能性を示してきた。さらに、神経細胞におけるレプチンシグナルに対して、脳グリア細胞も一部関わる可能性を示してきた。そこで、本研究では小胞体ストレスやグリア由来分泌因子によるレプチンシグナルの分子メカニズムを特に受容体レベルで検証した。レプチン抵抗性に関わるグリア由来因子の候補分子であるアデノシン処理後、bioluminescence resonance energy transfer(BRET)技術を用いたレプチン受容体のコンフォーメーショナルな変化を検討した。検討の結果、アデノシンはレプチン受容体のBRET活性に影響を及ぼさないことが明らかになった。したがって、アデノシンはレプチン受容体以降の下流因子に作用してレプチン抵抗性を示す可能性が示された。そこで、今後レプチン受容体以降の下流因子としてどのような因子がアデノシンによるレプチン抵抗性に関わってるか検討を進めることで、アデノシンによるレプチン抵抗性形成機構の分子メカニズムを明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、予定していた計画と予想通りの結果が得られたため、順調に進んだと考えられる。

今後の研究の推進方策

現在までにレプチン受容体のBRET解析も順調に進み、アデノシンの効果も検証できた。今後は、アデノシンによるレプチン抵抗性の形成機構について受容体以下のシグナル経路を明らかにすると同時に、小胞体ストレス関連因子とレプチン受容体活性・シグナルに及ぼす影響を解明する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Grapefruit juice exerts anti-osteoporotic activities in a prednisolone-induced osteoporosis rat femoral fracture model, possibly via the RANKL/OPG axis.2019

    • 著者名/発表者名
      Bastawy EM, Ahmed RR, Abd El-Hafeez AA, Abd El-Hady FK, Hosoi T, Ozawa K, El-Ganzuri MA.
    • 雑誌名

      Cytotechnology

      巻: 71 ページ: 769-783

    • DOI

      10.1007/s10616-019-00321-6

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 病態時におけるグリア-ニューロンインターラクションを介した肥満発症機構の解明―レプチン抵抗性のメカニズムの解明―2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤颯斗,細井 徹,長谷川由貴,松村奈美,小澤光一郎
    • 学会等名
      日本薬学会 第140年会
  • [学会発表] ストレス負荷によるグリア細胞からのadenosine遊離と神経細胞におけるレプチン抵抗性形成機構の解析2020

    • 著者名/発表者名
      和田 萌々恵,松浦 武典,細井 徹,松﨑 周,杉山 礼隆,児玉 尚士,小澤 光一郎
    • 学会等名
      日本薬学会 第140年会
  • [学会発表] Inhibitory mechanisms of adenosine on the Ob-R receptor mediated leptin signaling.2019

    • 著者名/発表者名
      Hosoi T., Silva A., Matsuura T., Sugiyama N., Shimizu K., Ozawa K., Jockers R., Dam J.
    • 学会等名
      CNRS GDR3545 GPCR international meeting
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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