研究課題/領域番号 |
18KT0002
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研究機関 | 中央学院大学 |
研究代表者 |
中川 淳司 中央学院大学, 現代教養学部, 教授 (20183080)
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研究分担者 |
福永 有夏 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10326126)
田村 暁彦 政策研究大学院大学, 政策研究センター, 客員研究員 (70815430)
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研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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キーワード | 自主的持続可能性基準(VSS) / 持続可能開発目標(SDGs) / 公私協働 / 持続可能性 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続いて自主的持続可能性基準(VSS)の普及における公私協働についての理論的研究を行った。第一に、VSSの普及に向けた国際協力を広義の規制協力ととらえ、自由貿易協定(FTA)を通じた規制協力の展開を分析した論文を執筆した。第二に、国連が2015年に策定した持続可能な開発目標(SDGs)とVSSとの関係を考察した。SDGsの内容はVSSとの親和性が高い。それと同時に、SDGsの目標達成にとってVSSは重要な手段として位置づけることができる。そこで、SDGsの17の目標に着目し、その各々の目標達成にとってVSSが果たす役割を考察するとともに、VSSの具体例に当たってそれがSDGsの目標達成にとって果たす役割と有効性を考察する実証研究を行った。 新興国におけるVSSの普及にとっては政府の役割が特に大きい。国連のVSSフォーラムは、インド、中国など主要な新興国におけるVSSの普及を促進する国別のプラットフォームの設立を支援している。ブラジルのVSSプラットフォームの設立を記念して2019年9月にリオデジャネイロで開催された国際研究集会に招へいされ、VSSの普及に向けた公私協働の可能性と課題をテーマとする基調講演を行った。この国際研究集会にはブラジルだけでなく欧州、中国、北米を含む多くの国からVSSの研究者が参加しており、ネットワーキングの面でも有益であった。 その後、国連VSSフォーラムからの招へいで同フォーラムの学術諮問委員会委員に就任した。第1回の諮問委員会会合は2020年4月25日に予定されていたが、コロナウィルスのため中止となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ブラジルにおける自主的持続可能性基準(VSS)のプラットフォーム設立を記念した国際研究集会に招へいされ、VSSを研究する世界各国の有力な研究者と交流することができた。さらに、国連VSSフォーラムからの招へいで同フォーラムの学術諮問委員会委員に就任した。学術諮問委員会は、VSSの普及に向け、国連及び各国(特に新興国・発展途上国)の政府に学術的な見地から助言することを任務としており、本研究にとっては、研究者との交流が期待できるだけでなく、研究成果が学術のみならず実践的な意義を持つことが期待できることになった。 ただし、2020年4月25日に予定されていた第1回の学術諮問委員会会合は新型コロナウィルスのために中止された。現状ではいつ開催されるかの目途は立っていない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続いて、VSSの普及に向けた公私協働についての研究に取り組む。2つのテーマに焦点を当てる。第一に、SDGsの目標達成にVSSが果たす意義と役割を明らかにすることである。海外のVSSだけでなく日本国内のVSSにも目を向けて、SDGsとVSSの関連を解明する。第二に、新興国におけるVSSの普及に向けた公私協働についての実証研究に取り組む。本年は国連のVSSフォーラムが講演するVSSプラットフォームの国際研究集会がシンガポールで開催されることが予定されている。コロナウィルスのため、開催の日取りは公表されていないが、開催が決まれば参加し、シンガポールを含むASEAN諸国におけるVSSの普及に向けた公私協働について調査する。以上の研究の成果を日本語の論文にまとめるほか、上記国際研究集会、国連VSSフォーラムの学術諮問委員会会合で英文で報告する。ただし、これらの会合の開催時期は現時点で確定していない。現地での開催が難しい場合は、Zoom等を用いたウェブ集会として開催することになる可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の田村暁彦教授が2019年7月に公務(経済産業省通商政策局審議官)に復帰したため、氏に配当した研究分担金の執行に遅れが生じた。 翌年度分として請求した助成金と合わせて、主として国際研究集会参加旅費として使用することを予定しているが、新型コロナウィルスのために国際研究集会の延期・中止が相次いでおり、予定通りの執行が可能かどうか不確実であることは否めない。
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