研究課題/領域番号 |
18KT0007
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
張 峻屹 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 教授 (20284169)
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研究分担者 |
瀬谷 創 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20584296)
友澤 和夫 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (40227640)
清水 哲夫 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (40272679)
藤原 章正 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 教授 (50181409)
布施 正暁 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (70415743)
力石 真 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 准教授 (90585845)
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研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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キーワード | 国境まち / メコン流域 / SWOT分析 / ビルトエンバイロメント / 観光 / COVID-19 / システムダイナミックス / パンデミック政策 |
研究実績の概要 |
本研究では、多様なコネクティビティ(文化交流、観光、交通、貿易、資本、資源、環境、情報、グローバル社会、国境を越えたソーシャルネットワークなどからみた多様な連帯関係など)を有する国境横断型まちづくりの視点からアジア途上国の国境まちのあるべき姿を提示し、それを実現するための方法論を開発する。研究期間中に収集した2567人(居住者1242人、中小企業経営者213人、中小企業被雇用者540人、訪問者240人、トラックドライバー332人)のアンケート調査データを用いて、SWOT分析、因子分析、より一般的な構造方程式モデリング分析などを行い、アジア途上国の国境まちの実情に合った4種類のまちづくり戦略(積極攻勢型戦略、弱点強化戦略、防衛・撤退型戦略、差別化戦略)の研究を深めた。特に、環境心理学とアーバンデザインの視点から、現地のアイデンティティをビルトエンバイロメント(built environment)と関連づけた国境まちづくりの研究を一層深めた。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で現地調査を実施できないことを受けて、研究内容の見直しを進めた。具体的には、感染拡大の抑制と国際観光の促進を通じた経済発展をどう両立するかに関する政策の意思決定を支援するシステムダイナミックス(SD)モデルを構築し、観光に強く依存しているカンボジアを対象に実証分析を行い、感染拡大の抑制メカニズムを反映した適切な国際観光の進め方に関する複数の政策シナリオを評価した。その結果、トップダウン型政策意思決定の高い有効性を確認できたと同時に、その経済活動へのネガティブな影響を定量的に把握できた。また、感染抑制と経済活動との両立を図るため、検疫対策、観光者保護対策と企業主導の保護対策をセットとするパッケージ政策の有効性を明らかにした。上記の研究成果をまとめ、SCI/SSCI雑誌への投稿を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19パンデミックの影響で、国境まちに行けず、追加調査を実施できていない。そのため、研究内容を見直した。
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今後の研究の推進方策 |
アジア途上国での新型コロナウイルス感染拡大が深刻である。その改善の見通しが立たず、フィールド調査を前提とする国境まちの研究に重大な支障をきたしている。今年度は、最後の年で、まずは、今までの調査で収集した各種データの分析を一層進め、当初設定した研究目的の達成に近づけるように努力を重ねる。リモートセンシングデータ、各種オープンデータを活用した研究も進める。新型コロナウイルス感染拡大の影響を反映した関連研究も進める。それらの成果をまとめて、学術雑誌に投稿すると同時に、専門図書の出版を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、出張できず、国境まちでの追加現地調査を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。未使用額を、新型コロナウイルスの感染拡大と国境を跨るモビリティの変化、ポスト・パンデミックの変化などに関するオンライン調査、データ解析、マクロデータを用いた関連研究などに使う。
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備考 |
研究代表者の研究室HPにて、研究成果などの情報を掲載している。
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