研究課題/領域番号 |
18KT0007
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
張 峻屹 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 教授 (20284169)
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研究分担者 |
瀬谷 創 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20584296)
友澤 和夫 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (40227640)
清水 哲夫 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (40272679)
藤原 章正 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (50181409)
布施 正暁 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (70415743)
力石 真 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (90585845)
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研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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キーワード | 国境まち / SWOT分析 / 愛着 / センスオブプレイス / 生活の質 / アーバンデザイン / システムダイナミクスモデル / 構造方程式モデル |
研究実績の概要 |
本研究では、アジア途上国の国境まちのあるべき姿を提示し、それを実現するための方法論を開発する。新型コロナの影響で国境に行けず、既存のデータを用いた分析を進めた。 (1)新型コロナ政策と越境観光発展との両立:昨年度にカンボジアを対象としたシミュレーション分析の論文はTourism Economicsに掲載された(2022年1月公表)。 (2)国境まちの愛着:ラオス・Savannakhetとミャンマー・Myawaddyの住民に対して、愛着を14個の心理指標により測定する小規模ヒアリング調査を行った。その結果、まちへの誇りと帰属意識が愛着を特徴づける重要な要素であること、宗教施設の存在が愛着形成にとって重要であることが分かった。一方、ラオスの人々は古いまち、古い建物、ナイトマーケット、地元料理からまちの魅力を感じるのに対して、ミャンマーの人々は経済、街路からみた場所間の接続性、タイへのアクセスのしやすさからまちの魅力を感じる。最後に、愛着に影響する要因として、居住期間、まちへの熟知度、まちへの愛着を定義づけるオブジェクトとの視覚的インターアクションが挙げられた。(Journal of Urban Designへ投稿中) (3)国境まちへの定住の影響要因:上記の調査結果を踏まえて、中国、ミャンマー、ベトナムとラオスの5つの国境まちの住民に対してアンケート調査を実施した(1022人から有効データを得た)。このデータを用いて、まちへの定住に影響するセンスオブプレイス、生活の質、SWOT要素(強み、弱み、機会と脅威)との因果関係を反映した構造方程式モデルを構築した結果、まちのアイデンティティと魅力、近隣国との関係を改善すること、自然資源、ランドスケープ、心理的セキュリティ(安全・安心)を損なうことのないようにすることは国境まちへの定住にとって重要であることが分かった。(投稿のため執筆中)
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備考 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で国境まちに行けなかったが、世界中の都市・交通運輸関係の研究者ネットワークの中心に位置づけられている世界交通学会(WCTRS)のCOVID-19 Task Force(研究代表者が共同議長)を立ち上げ、本研究の内容と関連づけて研究を実施してきた。それらの成果は上記の3つのURLにおいてまとめられている。
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