非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、インスリン抵抗性に伴い、慢性肝障害を来す生活習慣病である。本研究では、α7型ニコチン受容体(A7nAchR)の欠損マウス(A7KO)を用い、NASH発症への迷走神経作用の役割を検討した。A7KOに対し、食餌性NASH誘導を行い、肝臓炎症・線維化への作用を検討した。AD投与で、A7KOでは、血漿トランスアミナーゼレベル上昇が増加した。A7KOは、AD投与下で、肝臓炎症性ケモカイン遺伝子および肝臓線維化関連遺伝子の発現の増加、肝線維化の増悪を呈した。これらの結果から、A7nAchR作用の障害が、NASHを増悪させることを明らかにした。
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