研究課題
ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study; GWAS)により、疾患と関連するmarker SNP(single-nucleotide polymorphism; 一塩基多型)が数多く報告されている。しかしそのほとんどがnon-coding領域に存在するため、SNPがどの遺伝子に影響し疾患に至るのかといった因果関係が非常にわかりにくい。また、疾患の直接的な原因となるSNP(causal SNP)はmarker SNPの連鎖不平衡領域(Linkage Disequilibrium block; LD-block)の範囲内にあるため、causal SNPのfine mappingには数kb~数百kbにもわたるLD-blockをサーベイする必要がある。そのためnon-coding領域のSNPのほとんどが後続研究に供されることなく死蔵されているのが現状である。本研究では、膨大なエピゲノム解析データとゲノム編集技術を利用した独自の解析により、この未活用SNPデータの積極的活用をめざす。2018年度は世界中で報告されたほぼ全てのChIP-seqデータを収集したWebサービス、ChIP-Atlasを発展させて論文として公開した。2019年度はそれを利用してnon-coding領域のmarker SNPのLD-block内に複数の転写因子が集中的に結合するhotspotを複数同定した。またこのようなゲノム領域の機能を解析するため、ヒトの転写因子結合hotspotのゲノム座標をマウスのそれに変換し、CRISPR/Cas9システムで転写因子結合hotspotのマウス相同領域を欠損させたマウスの作出を進めた。
2: おおむね順調に進展している
転写因子結合hotspotをCRISPR/Cas9システムで欠損させたマウスを作出することができたため。
転写因子結合hotspotを欠損させたマウスの表現型解析を進める。
希望する物品の調達が遅れたため
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 3件、 査読あり 10件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 2件、 招待講演 15件) 図書 (3件) 産業財産権 (1件)
BioRxiv
巻: - ページ: -
10.1101/2020.03.20.000984
Genes & Genetic Systems
10.1266/ggs.19-00034
Genes to Cells
doi: 10.1111/gtc.12753
Biology Open
巻: 9 ページ: -
doi: 10.1242/bio.048728
Journal of Bone and Mineral Metabolism
巻: 38 ページ: 1-6
10.1007/s00774-019-01066-0
Journal of Molecular Endocrinology
巻: 64 ページ: 195~208
10.1530/JME-19-0229
10.1101/550095
Developmental Dynamics
巻: 248 ページ: 1264-1272
10.1002/dvdy.109
Science
巻: 364 ページ: 558~566
doi: 10.1126/science.aav7062
Development, Growth & Differentiation
巻: 61 ページ: 228~251
doi: 10.1111/dgd.12601
Springer Protocols
巻: - ページ: 121~126
DOI: 10.1007/978-1-4939-9740-4_13
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 116 ページ: 11418~11427
10.1073/pnas.1815166116