研究課題/領域番号 |
18KT0031
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 大治 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 名誉教授 (40242573)
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研究分担者 |
喜多 千草 京都大学, 文学研究科, 教授 (10362419)
美濃部 仁 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (50328960)
梶田 将司 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (30273296)
錦織 宏 名古屋大学, 医学研究科, 教授 (10463837)
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研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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キーワード | 茶道 / 相互行為 / 形式製 / 会話 / 身体動作 / 構成的規則 / 象徴装置 / 身体的共鳴 |
研究実績の概要 |
計画の2年目である本年度は,主として(1)研究会の開催,(2)倫理審査の申請,(3)データ収集の準備の3事業をおこなった。 (1)に関しては,昨年度雇用した城綾実氏に代わって花村俊吉氏を研究員として雇用し,花村氏の調整によって,2019年6月22日に京都大学にて研究会を開催した。研究代表者・木村が「点前において『体が動く』ということ」,研究分担者・喜多が「茶道とヨガ」という題目で研究発表をおこなった。木村の発表では,最近再開した点前稽古においてみずからの身体がどのように感じられたかという経験から,点前における身体の位置付けについて考察した。喜多の発表では,みずからの実践する「アシュタンガ・ヨガ」における身体操作の体験に基づき,茶道における定型的所作の意義について論じた。また研究会の後半に,京都大学表千家茶道部による点前の実演がおこなわれた。 (2)に関しては,昨年度の検討を踏まえ,木村・花村で動画撮影に関する倫理審査の申請書を作成し,科研費の申請部局である京都大学アフリカ地域研究資料センターの倫理審査委員会に提出した。その結果,2020年3月に無事承認を得ることができた。 (3)に関しては,木村,花村で京都大学表千家茶道部の茶会に赴き,茶道の経験のない花村がその体験の印象を内観的に分析した。また,倫理審査の承認を待って,京都大学茶道部の部員に協力のもとに点前の動画収録をおこなう予定であったが,上記の倫理審査が長引いたことと,2月以降のコロナウイルス感染症の影響によって,残念ながら実際の収録をおこなうことはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度は,研究会は予定どおり開催することができた。一方,昨年度購入した機器を用いて点前の動画収集もおこなう予定であったが,上記のように倫理審査の結果が出るのが遅れたことと,年度末寄りのコロナウイルス感染症の影響によって,計画どおり進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は,コロナウイルス感染症の終息を待って,京都大学茶道部の協力の下に,点前の動画データを収集・分析する予定である。また,実際に集まっての研究会ができない状況なので,Web会議システムZoomを用いて,月1回の割合で「連続Webセミナー『茶道の行為論』」を開催する。ここで収録された動画は編集の後にYouTubeで公開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度2月から3月に,研究会並びに茶席におけるデータ収集をおこなう予定であったが,コロナウイルス感染症によってこれらができなくなった。次年度,コロナウイルス感染症が終息した後にこれらの計画を遂行する予定である。
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