研究課題/領域番号 |
18KT0031
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 大治 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 名誉教授 (40242573)
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研究分担者 |
喜多 千草 京都大学, 文学研究科, 教授 (10362419)
美濃部 仁 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (50328960)
梶田 将司 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (30273296)
錦織 宏 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10463837)
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研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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キーワード | 茶道 / 相互行為 / 形式性 / 会話 / 身体動作 / 構成的規則 / 象徴装置 / 身体的共鳴 |
研究実績の概要 |
計画の3年目である本年度は,主として(1)Web研究会の開催,(2)茶席におけるデータ収集と分析,(3)論文執筆・学会における発表の3事業をおこなった。 (1)に関しては,コロナ禍で対面の研究会がおこなえないため,5月からZoomを利用して「茶道の行為論」と題する連続Webセミナーを開催した。研究分担者,および本研究に関心を持つ人に参加を呼びかけ,これまでに8回のセミナーをおこなった。発表およびディスカッションは1時間半から2時間おこなわれ,その結果は録画してすべてYouTubeで公開ずみである。内容は,初回から第5回までは研究代表者の木村が研究の理論的な枠組みについて話したのち,それに関するディスカッションをおこない,第6回以降は研究分担者,研究協力者が茶道についてそれぞれの専門分野における視点にもとづいて論じた。現在,たとえば第1回のセミナーはYouTubeですでに500回以上視聴されており,成果の公開という意味でも成功している。 (2)に関しては,コロナ禍で本格的なデータ収集がおこなえない中,研究代表者が参加している小規模な茶道の稽古において,代表者自身の点前を360度カメラで撮影し,分析をおこなった。その際,参加している人には昨年度承認された倫理審査の様式に基づいて,撮影の承諾書を書いていただいた。 (3)に関しては,木村は(2)で得た結果の分析を2021年3月の社会言語科学会において発表した。また,2021年6月にスイスでおこなわれる国際語用論学会(IPrA)でも発表する予定である(ただし,Web参加になる可能性が高い)。また美濃部は書評1本,単行本(共著)1冊を著した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は,コロナ禍で対面の研究会は開催できなかったので,Zoomを利用したWebセミナーを開催し,理論的な面での議論は十分に進めることができた。一方,点前稽古の動画収集とその分析は,コロナ禍の影響によって計画どおりおこなうことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,コロナウイルス感染症の終息を待って,京都大学茶道部の協力の下に,点前の動画データを収集・分析する予定である。また,2020年度に引き続き,Zoomを用いて連続Webセミナー「茶道の行為論」を開催し,そこで収録された動画は編集の後にYouTubeで公開する。さらに,国内・国外の学会での発表も積極的におこなっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によって,国内出張など当初計画していた研究活動が十分にできなかったので,次年度使用額が生じることとなった。今年度はコロナの終息を待って,これまでおこなえなかったデータ収集,対面での研究会などの活動を活発化させ,使用額を使っていく予定である。
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