研究課題/領域番号 |
18KT0039
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
笹原 信一朗 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10375496)
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研究分担者 |
松崎 一葉 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10229453)
唐崎 卓也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部, 上級研究員 (10370529) [辞退]
道喜 将太郎 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60808781)
岩崎 寛 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (70316040)
坂野 純子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70321677)
大井 雄一 筑波大学, 医学医療系, 助教 (90516056)
堀 大介 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10823693)
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研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2023-03-31
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キーワード | うつ病 / リハビリ / 自然活用 / fNIRS / QOL / POMS / SOC / ネイチャーベースとリハビリテーション |
研究実績の概要 |
持続的な社会の構築に向けて、農業を1次産業から多様性の高い次世代の農資源利用への発展として、日本社会におけるうつ病リハビリテーションへの応用を科学的基盤に基づいて検討することを目的とし、平成30年度からの2年間で、スウェーデンで開発されたNature Based Rehabilitaion (NBR)でのノウハウを最大限に活用して、日本の豊かな農資源利用でのうつ病リハビリテーションにおける下記3つの効果を場面毎に適したもので多角的に検証するべく、これまでの打ち合わせと各実証フィールドとの調整を踏まえ、検証のためのパイロットスタディーを実施し、実証研究の準備を進めて来た。しかしながら、令和2年度から3年度にかけては新型コロナ感染症の影響により被験者を募ってのfNIRS測定などは実施が出来なかったため、代替計画として既存データの活用とオンライン調査を実施した。 既存データの活用においては、茨城県内の20~50歳代の男女計約6500人の労働者を対象に行ったアンケートを利用し、ハイキングや山歩き、山中でのキャンプに出かける「森林散策」や公園などに行く「緑地散歩」の頻度と、心理・健康状態を尋ねる項目との関係性を調べた。その結果、森林散策や緑地散歩に「週1回以上」行くと答えた人は、「ほとんど行かない」と答えた人に比べ、ストレスの対処力が約2~3倍高かった。「月1~3回」の人でも、約2倍高かった。 さらに緊急事態宣言下における公園などの緑地活用と健康状態との関連についてオンライン調査を実施し、565名(有効回答数 515名)からの回答を得た。この解析結果より、自粛前と比べた公園への意識の変化では女性が高く、特に目の疲れ疲労感公園への意識の変化が大きく変わったという傾向が明らかになり、さらに男性と女性では在宅勤務によるストレスを増強する要因と軽減する要因が大きく異なることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症の影響で実証フィールドでの調査が困難となったが、その分オンラインでの代替調査で可能な研究を続けることが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
オンライン調査の結果について、学会発表と論文発表を行い今後の実証フィールドでの調査再開の際の検討材料とする。 当初予定していた実証フィールドでの調査の再開は本研究期間では実現可能性が低くなったため、また別途研究費を獲得して再検討するとともに、うつ病のリハビリテーションに限定せず、広く労働者のストレスケアならびにリトリートに対しても自然を活用する方策について検討して行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症のため、実証フィールド調査が出来なくなり、代わりにオンライン調査を実施したため、研究発表の計画が予定よりも遅れているため、一年延長を申請した。今年度はオンライン調査の研究成果発表を行う予定である。
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