植物は私たち人間を含む地球上の生命を支える存在です。その植物を活用する技術の一つである接ぎ木(接木)は、二千年以上も前から農業で使われてきました。接木は、二種類の植物を一つにつなげて育てる技術で、病気に強い植物の根の上に農作物を接木することで、農作物を病気から守る方法として使われます。農薬の使用量を減らし、土壌生態系を保ち、環境負荷にも頑強な農業が可能です。しかし、接木は近縁な仲間の間でしか行うことができませんでした。本研究では、タバコ属植物が遠縁な植物でも接木できることを発見し、さらにその能力は植物が本来持っている細胞壁を溶かす酵素によることを明らかにしました。
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