研究課題
植民地化以前の民族集団の居住分布や植民地化によるその分断,植民地の政治・経済制度的な残滓や独立後の政治体制は,国内平和をいかに,なぜ規定するのか。より一般的に,植民地化前・植民地期・植民地後の要因は内戦の生起をいかに,なぜ左右するのか。歴史的背景・文脈は,民主主義体制や介入・援助のような政治制度・政策的処方箋の有効性をいかに,なぜ規定するのか。また,その背後にはいかなる因果メカニズムが働くのか。本研究は,歴史地図・史料のデータ化と地理情報システム(GIS)を活用した計量分析を通して,こうした一連の問いに回答する。本研究計画は,(1)史料・歴史地図を用いたデータセットの構築,(2)内戦の歴史的・長期的原因の検証,および(3)歴史的要因と現代的要因の相互作用の検証の3つの作業に取り組むことを,主な目的にしていた。研究期間中,具体的には,内戦,クーデターや権力分掌のような,国内における武力衝突とそれ密接に関連する他の国内政治現象や政治制度を中心に,歴史的・長期的原因を巡る実証研究を進めた。さらに,ベトナム戦争における米軍の戦闘記録を用いた新たなデータ作成と分析にも取り組んだ。研究期間中の具体的な研究成果として,査読付き国際誌に論文3本,日本語・英語書籍所収の論文各1本の合計2本,一般向け日本語記事1本が掲載・出版されたほか,他の英語論文も学会発表や国際誌への投稿に至った。また,これらの論文の内,Journal of Peace Research誌に掲載された論文はJournal of Peace Research Best Visualization Award 2021を受賞した。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
International Interactions
巻: forthcoming ページ: forthcoming
10.1080/03050629.2023.2180501
経済セミナー
巻: 728 ページ: 36-42