研究課題/領域番号 |
18KT0055
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 基史 京都大学, 公共政策連携研究部, 教授 (00278780)
|
研究分担者 |
宇治 梓紗 京都大学, 法学研究科, 講師 (00829591)
|
研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2021-03-31
|
キーワード | 国際政治経済学 / 開発援助 / 法制度化 / 環境政治 |
研究実績の概要 |
2019年度、代表者の鈴木基史と分担者の宇治梓紗は、研究計画に即して、2018年度に収集したデータをもとに、開発援助政策と国内制度の相関に関する計量分析を行った。その結果、途上国が国際貿易に参画して、経済成長の起爆剤とする「貿易のための援助(AfT)」が世界貿易機関(WTO)によって示された。それに国際連合が呼応し、ミレニアム開発目標(MDGs)およびその後継の持続可能な開発目標(SDGs)にも取り入れられた。本研究ではAfTの有効な実施を支援する上で、貿易障壁の削減や国際ネットワークの拡大に効果を持つとされる貿易協定の有効性を検証した。我々の分析では、PTAの国内基盤として、貿易協定の複雑な条項の遵守を促進する法制度の重要性が浮き彫りとなった。こうした分析結果を英語論文としてまとめ、2020年3月に開催予定の国際関係学会の報告審査に応募し、採択された。本論文は完成し、報告の準備も完了したにもかかわらず、新型コロナウイルス感染問題によって同研究大会は中止となった。しかし、同論文は推敲を経て、次年度に国際学術誌に投稿の予定である。 その一方、宇治は、開発と環境という観点から、スイス工科大学のトマス・バーナー教授らとの国際共同研究の一環として、日本において温室効果ガスの削減を目的とした炭素税に関わるサーベイ実験を実施した結果を共著論文としてまとめ、次年度の国際学会にて報告後、国際学術誌に投稿の予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画に従ってデータ収集・サーベイ実験を実施し、解析・論文3編の作成を行った。その成果を国際学会で報告する準備を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
鈴木は2019年度に作成した英語論文2編を一層改善し、有力国際学術誌に投稿する予定である。宇治は、開発と環境という観点からスイス工科大学のトマス・バーナー教授らと作成した共著論文を、2020年6月にノルウェーで開催予定の環境国際学会において報告し、コメントを踏まえて修正し、国際学術誌に投稿の予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月に論文報告を予定していた国際関係学会が新型コロナウイルス感染問題によって中止となったため、旅費・宿泊費等の支出ができなかった。
|