研究課題/領域番号 |
18KT0057
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
川口 智恵 東洋大学, グローバル・イノベーション学研究センター, 客員研究員 (20789987)
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研究分担者 |
上野 友也 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (10587421)
GOMEZ OSCAR 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 助教 (20771489)
池田 丈佑 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (50516771)
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研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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キーワード | グローバル・ポリシー / 人道危機対応 / 規範 / 事例研究 |
研究実績の概要 |
予定した3回の研究会を実施し、昨年度の議論を踏まえて、事例研究の研究に入った。第4回研究会(7月)では、アジア太平洋大学施設にて、議論を行なった。本研究の基本的概念の再確認、枠組みの再考、事例研究の構想(調査予定を含む)を行うとともに今後のスケジュールや成果物に関する議論を行った 。第5回研究会(9月)では、スカイプを通じて、紛争、難民、自然災害、疫病の4つの人道危機に対するグローバル・ポリシーの事例研究に関する進捗状況の報告、成果報告を行なう日本国際政治学会(2020年)への応募に関する議論を行なった。ゴメズ氏からはガーナでの現地調査報告・学会誌への報告予定であることが報告された。池田氏からは、政策の変容において規範が果たす役割についての議論が紹介された。第6回研究会(11月)では、東洋大学にて、日本国際政治学会への応募書類を念頭に各自の事例研究の進捗状況について発表し、提出書類の内容を固めると同時にアウトプットの確認を行なった。応募の結果、日本国際政治学会の部会で発表することとなった 。 以上のように、2019年度は、3回の研究会の実施を通じて、計画通り、危機対応というグローバル・ポリシーの事例研究を実施しながら、研究成果のための具体的手続きを進めることができた。 具体的な成果物: 池田丈佑「法・政治理論と強制移動ー難民保護と国際法・制度の現在」 小泉康一編『「難民」をどう捉えるか 難民・強制移動研究の理論と方法』慶應義塾大学出版会、2019年、141-161頁。 ゴメズ・オスカル“Localization or de-globalization? East Asia and the dismantling of international humanitarianism” AP Conference, APU, Beppu, November 30. (他2回)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた3回の研究会を実施し、鍵概念や枠組みの再検討を踏まえ、事例研究の議論に入ることができた。また成果発表の機会も得ることができた。そのため、全体的には研究計画予定通りに研究を進めることができているといえる。一方で、事例研究の進捗については、研究分担者の個別の状況に応じて差が生じている。コロナウィルスの流行拡大の影響で、学会参加や現地調査を中止しなければならない事態が生じており、今後、スカイプも使いながら議論を深めるなど工夫していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、3回の研究会を軸として事業を推進していくことを予定している。第7回研究会(7・8月頃)3日程度の研究会を開催するが、10月のパネル発表のための予行として位置づけ、各自の事例研究の成果を確認し、発表に向けた修正を行なう。第8回研究会(10月)は、日本国際政治学会でのパネル発表の後に内容確認と議論を踏まえた今後の修正・検討事項を確認する。各自、事例研究を成果物として仕上げる。第9回研究会(1月頃)は、各事例の比較検討を行ない、別途一つの成果物として作成するための検討を行なう。
コロナウィルスの流行拡大に対する各国政府の対応で、今年度発表を予定していた国際学会については、すでに中止や変更の連絡が来ている。国際学会での発表や調査については、出張費にあてた予算の用途変更も含め、今後も変更を余儀なくされることが想定される。最終的には、国際的な調査・発表の場を経た研究成果としたいため、次年度の事業延長も検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究会時に専門家を招聘することを予定していたが、各分担者が離れた地域に居住しており、専門家との日程を調整することが難しいため、各分担者が必要に応じて調査研究の折にヒアリングなどを実施することとした。その分の経費は、研究会の開催や国際学会への出張など、成果物をよりよいものとし、広く国際社会に成果を問う場を得ることに充てたいと考えている。しかし、コロナウィルスの流行拡大に伴う今年度の国際学会の中止・延期が相次いでおり、事業の1年延期も念頭に、事態の推移を見ながら事業を進めていく。
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備考 |
(1)について池田丈佑氏が第6章を担当してる。
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