本研究の目的は、1)疾患発症や病態遷移を行動ダイナミクスの変化から捉え、その背後にある数理学的機序を解明すること、2)さらに解明原理に基づく遷移現象の早期検知技術を開発することであった。データ駆動型の行動時系列データ生成システムの推定方法を開発し、ヒト精神疾患とアルコール依存症モデルラットの強縦断行動時系列データから、疾患発症や病態遷移に伴うシステムの動的変化の同定を試みた。ヒト精神疾患では、疾患・病態に伴う推定システムの変化、また病態遷移に付随する安定性の低下を確認した。一方、機械学習を援用した観測時系列データに基づく時系列生成モデルの分岐構造の推定手法の開発に成功した。
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