研究課題/領域番号 |
18KT0085
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
坂井田 瑠衣 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 特任研究員 (90815763)
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研究分担者 |
名塩 征史 広島大学, 森戸国際高等教育学院, 講師 (00466426)
遠藤 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40724422)
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研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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キーワード | 身体動作 / 行為連鎖 / 共鳴 / 相互行為分析 / マルチモダリティ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、共在状態での相互行為における参与者の身体動作が、他者の音声発話や身体動作との間にいかなるペア構造(連鎖構造)を構成し、相互に共鳴するためのメカニズムとして機能しているかを、相互行為分析によって明らかにし、理論的に考察することである。2019年度は、以下の研究活動を実施した。 ・2018年度に書き起こしと整理作業を行った医療場面、教示場面、養育場面の映像データを使用し、本研究課題の探究対象である「共鳴」現象が生じていると思われる場面を分析した。 ・本研究課題の探究対象である「共鳴」現象にかかわると考えられる理論的枠組についての文献サーベイを実施した。 ・研究組織の全員が参加してデータセッションを開催し、映像データの分析を行った。 ・研究組織の全員が参加して会合を開催し、「共鳴」と関係する概念として、近年注目を集めているIntercorporeality(間身体性)について議論した。 ・関連書籍、学術論文の出版をはじめとして、国際会議発表を含めた研究成果発表を精力的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度に引き続き、各自でデータ分析および文献サーベイを行い、それらの結果を持ち寄って有意義なデータセッション・会合を実施することができた。また、関連書籍・学術論文の出版や国際会議における発表など、研究成果発表も精力的に実施することができた。他方、2020年3月にも会合を実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、中止となった。当該会合は2020年度に繰り下げて開催する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、以下の研究活動を実施する予定である。 ・2019年度に引き続き、データセッションを中心とした議論によって「共鳴」現象を探究する。ただし、新型コロナウィルス感染症の影響に鑑み、オンラインで実施する可能性がある。 ・2019年度に引き続き、本研究課題に関連する理論的枠組を整理し、「共鳴とは何か」に関する仮説を導く。 ・国際会議やワークショップ等で研究成果を発表し、国内外の研究者と議論する。 ・最終年度の研究成果のまとめとして、論文化、書籍化などの計画を策定し、研究成果を公開する準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた会合が新型コロナウィルス感染症の影響で中止となり旅費の支出が不要になったため、当初の予定よりも使用額が減った。次年度使用額は、2020年度に繰り下げて開催予定の会合のための国内旅費等に充てる予定である。
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