日本各地に自生するノビル遺伝資源179系統を収集し、同一栽培条件下による形態的特徴を調査した。調査年と系統間の違いがノビルの形態形質に影響を及ぼしていることが考えられた。系統間の差異が最も顕著なのは分球数であった。子分球数や鱗茎総重量には分げつ数と高い相関があり、葉鞘径は1株当たりの最大鱗茎重と高い相関があった。主成分分析の結果、各項目の因子負担量をみると第1主成分x軸は植物体の肥大性と相関が高く、第2主成分y軸は増殖性と負の相関があった。しかしながら、収集した地域により各系統をグループ分けすることはできなかった。散布図により選抜したWOS317は肥大性と増殖性に優れる優良系統であった。
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