研究課題
ウェブ検索・閲覧を行うユーザが情報システムの力を借りつつも,最終的には自分自身で情報の信憑性を判断できるよう,自律的・能動的な信憑性判断を促進する情報インタラクション技術の開発を目指し,研究プロジェクト最終年度は下記研究項目に取り組んだ:(1) 確証バイアスを有するユーザの特有のウェブ探索行動の分析,(2) 評価値に翻弄されない情報探索を促す情報提示手法の開発,(3) 貪欲な情報探索を促す「問いかけ」インタラクション技術の開発研究項目1では,自分が信じたいものが掲載された情報を優先的に見てしまう「確証バイアス」とウェブ探索行動の関係を調べるために,擬似的に確証バイアスを発生させる実験シナリオ・環境を構築した.その上で,確証バイアスを有するユーザと有さないユーザのウェブ探索行動を比較し,確証バイアスを有するユーザ特有のウェブ探索行動を明らかにした.得られた知見は,「ウェブ検索ユーザが確証バイアスを有するか否かの推定」や「確証バイアスを低減させるための情報アクセスシステムの設計」に寄与できると考える.研究項目2では,レビュー情報サイトにおいて他ユーザの総合評価スコアのみを優先的に見てアイテムを選択してしまう傾向を抑制し,アイテムの精査に必要となる観点からしっかりとレビュー情報の探索できるよう,「損失回避バイアス」に着目した検索結果スニペットの生成技術を開発した.大規模なオンライン実験の結果,提案手法が慎重な情報探索行動を促進することを確認した.研究項目3では,検索トピックの理解に必要なサブトピックを網羅する意欲を高めるために,サブトピックを思わず調べたくなるような「問いかけ文」を発見・提示する技術を開発した.本研究項目は研究プロジェクト申請後に着想を得たものであるが,今後発展に期待が持てる予備的結果が得られた.
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